デーメーテールの異称としてのクトニアー
英語版wikipediaには、クトニアーとしてデーメーテールをはじめchthonic deityな女神の異称、ともある。
chthonicというのはもちろんギリシア語由来の言葉で、再帰的な定義になっているように見えます。
このクトーンというのは、物理的には地面の下、または、ある特定の地域の、といったニュアンス。
パウサニアースなどを読んでいると、「土地生え抜きの人」という意味で「アウトクトノス」という語がよく出てきます。
一方で、その地母神的なイメージ、つまり豊穣とそれに関連する生成、その裏返しとしての死、地下的な魔法の技術、などをイメージさせる語でもあります。
ちなみに、デーメーテールに関してのリファレンスを見てみると
オルペウスの讃歌 第40(または39) エレウシースのデーメーテールへの讃歌 12行。
アポローニオス「アルゴナウティカ」4巻987行。
の二つを挙げています。
まぁ、出典がわかればそれを確認すればいいのです。
オルペウスの讃歌の当該部分は(Androidのスマホやタブレットでは表示できない文字を含みます)
σύ χθονίη, σύ δὲ φαινομένη, σύ δὲ πᾶσι προσηνής·
と書いてあり、おおよその意味は恐らく
おんみ地下なる女神よ、してまた、おんみ光をもたらす女神よ、更にまた、おんみこそすべてに優しき女神。
くらいの意味でしょう。
アポローニオスは岡 道男さんの訳が出ています。
と思ったら、今は絶版のようですね。
当該部分は
....(省略).... οἱ δὲ ἑ Δηούς
κλείουσι χθονίης καλαμητόμον ἔμμεναι ἅρπην.
で、その訳は
それは地下の女神デメテルの刈り鎌ともいわれる。
となっています。
うぅ~ん。
これを「異称」として認めてしまうと、オルペウスの讃歌ではスゴいことになってしまいそうな予感が。
というのも、讃歌を捧げる神格の神威があまねく世界に届いていることを示すために、「天空の、しかして地下をも」といった表現が結構出てきます。
まぁ。
データベースにどのように反映していくか、は、ゆるゆると悩んでいこうと思います。
<追記>
私が異称だと思っていた元の語はepithet。
つまり、形容辞ですね。
それなら納得。
chthonicというのはもちろんギリシア語由来の言葉で、再帰的な定義になっているように見えます。
このクトーンというのは、物理的には地面の下、または、ある特定の地域の、といったニュアンス。
パウサニアースなどを読んでいると、「土地生え抜きの人」という意味で「アウトクトノス」という語がよく出てきます。
一方で、その地母神的なイメージ、つまり豊穣とそれに関連する生成、その裏返しとしての死、地下的な魔法の技術、などをイメージさせる語でもあります。
ちなみに、デーメーテールに関してのリファレンスを見てみると
オルペウスの讃歌 第40(または39) エレウシースのデーメーテールへの讃歌 12行。
アポローニオス「アルゴナウティカ」4巻987行。
の二つを挙げています。
まぁ、出典がわかればそれを確認すればいいのです。
オルペウスの讃歌の当該部分は(Androidのスマホやタブレットでは表示できない文字を含みます)
σύ χθονίη, σύ δὲ φαινομένη, σύ δὲ πᾶσι προσηνής·
と書いてあり、おおよその意味は恐らく
おんみ地下なる女神よ、してまた、おんみ光をもたらす女神よ、更にまた、おんみこそすべてに優しき女神。
くらいの意味でしょう。
アポローニオスは岡 道男さんの訳が出ています。
と思ったら、今は絶版のようですね。
当該部分は
....(省略).... οἱ δὲ ἑ Δηούς
κλείουσι χθονίης καλαμητόμον ἔμμεναι ἅρπην.
で、その訳は
それは地下の女神デメテルの刈り鎌ともいわれる。
となっています。
うぅ~ん。
これを「異称」として認めてしまうと、オルペウスの讃歌ではスゴいことになってしまいそうな予感が。
というのも、讃歌を捧げる神格の神威があまねく世界に届いていることを示すために、「天空の、しかして地下をも」といった表現が結構出てきます。
まぁ。
データベースにどのように反映していくか、は、ゆるゆると悩んでいこうと思います。
<追記>
私が異称だと思っていた元の語はepithet。
つまり、形容辞ですね。
それなら納得。