清太郎「これが契約書、ここにサインして」
麻衣子と、もう一人、見知らぬ女が清太郎の前に座っています。
清太郎が同じ手口でスカウトした遼子でした。
遼子はスナックで働きながら演技のレッスンを受けていました。
AVではなく、本気で女優を目指し、研鑽を積んでいる役者の玉子だったのです。
麻衣子は、不快でした。
清太郎が所属に関する事項をホワイトボードに書き、振り返った瞬間、その視線の先が、常に遼子に注がれている事を、麻衣子は見逃さなかったからです。
遼子は、ゆとりの笑みを浮かべています。それがまた怒りを助長させます。
遼子は、冷静に契約書に目を通します。その時、変な一文に目が止まりました。
麻衣子「えっと、芸能事務所…、ストレート フラッシュを、甲?とし、◯◯が乙?、甲が乙に…、乙が甲に…、@#/&☆♪¥ (・・?)」
難しい漢字、法律的な文章、そんなモノは麻衣子には理解出来ませんでした。
清太郎「普通のバイトの契約書みたいな事しか書いて無いから、大丈夫だよ。^ ^」
麻衣子は、何の躊躇いもなくサインしました。
遼子「一度持ち帰って良いですか?家族とも相談したいので」
清太郎「あっ、出来れば、今、サインして欲しいんだけど…」
契約書の中には小さな文字で「成人向である場合も含め出演する」との一文があったのです。
清太郎「ところで、今、何歳なの?」
遼子「20歳です」
麻衣子(勝った!)「私は16歳!」
清太郎「えっ⁉️ 麻衣子16歳なの⁉️風俗店で働いてたよね?18歳じゃないの⁉️!(◎_◎;)」
麻衣子(あれ?展開が読めない…)「年齢を偽ってたの…」
清太郎は誤算していた事に、今、気が付いたのです。
清太郎(チェッ、ガキじゃねーかよ!手間掛けさせやがって、これじゃあ、AVに落とせねーじゃねーか!)
その表情が顔に露呈していました。
その途端、麻衣子が豹変したのです。
麻衣子「あんた❗️アイドルになれるって言ったよね⁉️
だから風俗店を辞めたんだけど。
本当はこの事務所、仕事なんて無いんじゃないの?
壁に貼ってる写真、アレ、他の芸能事務所のHPからのパクりでしょう⁉️
本当はスタッフなんて居ないでしょうが❗️」
凄い剣幕です。
元々、気性の激しい性格だった上に、清太郎が自分以外の女にも同じ事をしていた事に気付き、更にそっちに気がある事が許せず、怒りが爆発したのです。
清太郎「い、いやいや、そ、そんな事ないよ。ちょっと待ってて」
根が小心者の清太郎は、逃げる様にして部屋から出ました。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
ストレートフラッシュは、本業はAV女優の発掘が目的でしたが、表向きは普通の顔も持っていました。
数名の所属者も抱え、アリバイ程度の仕事は流れていたのです。
清太郎(何か餌を与えておかないと、ヤバイかも…)
PCをスクロールして案件を探します。
清太郎(うん?「ミス半魚人コンテスト」?おお!これ良いじゃん!」
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•
清太郎「早速なんだけど、オーディションの案件が来てる。
二人ともエントリーしたいんだけど、締め切りが3日後なんだよね~、
麻衣子は未成年だから親の同意書が要るんだよね。それまでに親のサイン貰えるかな?」
麻衣子(ミス半魚人?こんな感じかな?)
3日後…、
麻衣子は、自分自身で署名捺印した同意書を持って現れました。
麻衣子(あの女には負けたく無い!あの女を清太郎に近付けたく無い!)
麻衣子は、アイドルになる事など、どうでも良かったのです。
ただ清太郎を独り占めにしたかったのです。
つづく。
