あの時、もっと早く起きていたら、カタリーナは死なずに済んだかも知れない…、
カタリーナは自分が迎えに来るのを、あの部屋で待っていたのかも知れない…、
介護疲れした顔を見せていなければ、カタリーナは、もっと生きていたかも知れない…、
ブレッドは、カタリーナの死は自分に責任があると、考える様になっていたのです。
後悔と自責という名の重い縄で、自分自身の心をがんじがらめに縛り付けてしまい、解け無くなっていたのです。
赤いマフラーをしたブレッドの墓参りは、深夜にも及ぶ様になりました。
マッタリアの家族も心配し、そっと後を追って、無事に帰宅するのを見守るのですが、その姿に戸惑いを隠せませんでした。
ブレッドは墓石を抱き締めながら、子供の様に永延と泣き続けるのです。
そこには、かつて世界中を飛び回り、手腕を発揮した大統領の面影は無くなっていたのです。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•
ブレッド自身も、こんな姿をカタリーナが望んでいない事を分かっていました。
何度も立ち直ろうと努力したのですが、筋肉に力が入らず、空回りしてしまうのです。
ブレッドは、輝きも色も失った空間に浮遊するだけの、魂の抜け殻だったのです。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
そんなある日、
テレーザ「ブレッドさんに、会って欲しい人がいるの…、
今度、マッタリア家に連れて来るから…、会って下さい」
と言って来たのです。
それは…、
片足が義足の黒人青年、マイケルでした。
マイケルとテレーザは、スクエアガーデンで再会して以来、時々連絡を取り合っていたのです。
そして、テレーザがワシントン大学を卒業してから、マッタリア家に帰って来ると、真剣に交際を始めていたのです。
ブレッドも、マッタリア家の人々も、マイケルの来訪に腰を抜かしました。
何故なら、マイケルは…、
つづく。
