イタリアの暴力装置、愛するとは奪う事。いいえ、与える事です。その(63) | kyon2のブログ

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報道陣「あっ!今、全面敗訴の判決を受けたエロニカ・フリンスキーさんが、裁判所から出て来ました!」


その様子は、リアルタイムで中継されていました。


ついさっき迄、エロニカにエールを送っていた群衆は、一転し、罵詈雑言を容赦なく浴びせる、生きた凶器となっていたのです。


「稀代の悪女!詐欺師、恥知らず!女の敵!豊胸整形女!


玉子や熟したトマト、得体の知れない液体まで浴びせ、エロニカは生き地獄の洗礼を受けます。


そこは、集団心理によって理性を失った人々の、無法地帯と化していたのです。


お茶の間のTVに、残酷な娯楽に酔いしれる、おぞましい群衆の姿が、映し出されます。


そして…、


連邦警察「エロニカ・フリンスキー、貴女を共謀罪で逮捕します」


ガシャ!


群衆の前で、そして、リアルタイムで中継される中、エロニカに手錠が掛けられました。


既に、逮捕状が用意されていたのです。


前代未聞の陰謀劇と、彼女の人生の幕が降りた瞬間でした。


そして、共和党議員のアラン・コトコーネルの逮捕に向かった連邦警察は、彼の変わり果てた姿を目撃します。


エロニカの敗訴を知った直後に、猟銃自殺していたのです。


ʕ̫͡ʕ̫͡ʔ̫͡ʔ̫͡


カタリーナとブレッドに、平穏な日常が戻って来ました。


事件を乗り越えた二人の絆は、より強固になり、愛は更に深まっていました。


ただ、一つ違っていたのは

男と女の関係では無くなってしまったのです。


カタリーナの心から、何かが崩壊し、消し去られたのです。


ブレッドに触れられると、カタリーナの身体は、反射的に硬直する様になりました。


触らないで!という無言のオーラを放っているのが、ブレッドにも伝わります。


カタリーナ(あんなモノ、見なきゃ良かった)


カタリーナは、執務室でのDVDを見ていたのです。


ブレッドが逆セクハラの被害者であると分かっても、現実に他の女性と行為にふけっている場面は、彼女には衝撃が強過ぎたのです。


彼女は、自分でもどうする事も出来ない程、心は傷つき、乱れ、粉々に割れていたのです。


ブレッドは、何度もカタリーナを優しく誘いました。


カタリーナも、それに応えようと努力しました。


しかし、どうしても、あの映像が脳裏から離れず、受け入れる事が出来ないのです。


もし、カタリーナがまだ若く、性欲が盛んであったならば、乗り越えたのかも知れません。


しかし、更年期に差し掛かったカタリーナには、その背中を押す性欲が、減退していたのです。


人の夫に、軽い気持ちで手を出す女が許せない!


あんな映像を観なければ、今でも幸せな夫婦生活を送っていた筈なのに


裁判は終わっても、心の傷は終わらなかったのです。


そんなカタリーナに、追い討ちを掛ける様に、更なる悲劇が襲います。


つづく。