【訳者注】これは、先の短い解説文の中にリンクされていたCultural Marxism Is Destroying Americaを訳したものである。短くて的確な「文化マルクス主義」の説明である。このフェイク救済理論を押し付けようと暗躍する者たちが、隠れた世界政府の手先であることは、疑いようがない。学者の理論は、政治的に利用されて強力になるのであって、純粋にそれ自体で世界を動かすことはないであろう。ダーウィン進化論やフロイト理論がその例で、この2つはマルクス主義と共に、破壊的な闘争理論である――階級闘争、生存闘争、リビドーの破壊的自己主張。そして、3者とも唯物論的なイデオロギー(党派的疑似科学)であって、神と神の創った世界を滅ぼそうとするNWO陰謀団にとって、非常に都合のいいものであった。

 

 

SOTN (State of the Nation) Moses Apostaticus, The Daily Caller

February 17, 2017

 

http://stateofthenation2012.com/wp-content/uploads/2017/02/2000px-Flag_of_Minnesota.svg_-6-e1474517381657-768x330.png

 

またしても、アメリカのある都市が黒人暴動によって引き裂かれつつある。我々の見るシャーロットでの暴力の映像は、我々の知っている国には似ていない。と同時に、高校のフットボール選手やチアリーダー、それに米軍人までが、コリン・キャパニック(フットボール選手)のリードに従って、 国歌の演奏される間、しゃがんで起立を拒否している。多くのアメリカ人は戸惑っている。

 

オバマが、差別撤廃のアメリカを約束して8年になり、市民権法案が通過して52年になるというのに、アメリカでの人種による分裂が、前よりひどくなっているというのはどうしたことか?

 

これは、この問題に対する対策がなされていないということでは全くない。アメリカの大学には黒人研究の学部があり、企業は、多様性を教える講師や、黒人雇用割り当て制を取り入れており、主流メディアは人種差別問題をたえず扱っている。にもかかわらず、分裂はますます進んでいる。

 

この傾向は、白人の偏見によって起こっているのではない。それはイデオロギーによって起こっている。アメリカで人種間の関係が、悪化し続けている理由は、文化マルクス主義哲学が、全国の学校や大学で、容赦なく教え続けられていることにある。

 

多くのアメリカ人は、“ポリティカル・コレクトネス”ということは知っているが、それが文化マルクス主義理論から来ていることは、知らないかもしれない。古典的なマルクシズムは、資本主義や、それが作り出す階級闘争のこと、労働者を抑圧するその制度を倒さねばならないということを主張したが、文化マルクシズムは、抑圧をつくり出すのは経済ではなく、むしろ家庭単位制であり、伝統的な道徳や、人種、ジェンダー、性的アイデンティティの概念だと論ずる。そうしたものは、革命によって断ち切るべき暴政の鎖なのだ、と。

 

現代女性よ、あなたは結婚によって幸福か? 母親であることの責任や、仕事の重荷が、あなたを苦しめているか? それは家父長制(男性中心)のせいだ! 黒人よ、あなたは苛酷に扱われていると感ずるか? いつも悪いめぐり合わせで、そこから抜け出せないように思えるか? それは人種差別のせいだ! ゲイの男性よ、あなたは正常な男性の意識的・無意識的嘲笑に、うんざりしているか? 彼らも、自分の性的な引け目を怖れているのだ。だから彼らはあなたたちを憎むのだ! 

 

こうしたことは、我々の教育方針で、止めどもなく並べ立てられる物語である。これは自然に、また偶然にそうなったのではない。これらは、知識人や大学の学者によって構成されたもので、彼らは国家を変革する急進的な計画をもっており、その過程で利益を得ている。

 

正常な白人男性による抑圧という教義を信じている人たちは、今日、自分のことをリベラルと呼んでいる。これは戦後にでっちあげられた考えで、彼らの革命的アジェンダについて一般的なアメリカ人を騙そうと企んだものである。彼らはリベラルではない、マルクス主義者である。

 

文化マルクシズムとは、マルクス主義弁証法がフロイト理論と一つになったもので、それはアイデンティティ(抑圧者、被抑圧者など)や文化に当てはめられる。すべてのマルクシズムの形態と同じく、それは、人々を抽象的なグループに類別し、その間に歴史的な抑圧の物語をつくり出すことに基づいている。マルクス主義者の戦略は、常に、被害者をつくり出し、その上で、そのメンバーに、抑圧者に対して団結することが必要だと納得させる。これは恨みと憎しみを創り出し、それは、マルクス主義イデオロギーが、彼らの目標である革命を達成する手段となる。我々の社会にはびこっている文化マルクス主義は、特に西洋の現象である。1917年のロシア革命の後で、ヨーロッパのマルクス主義者たちは、プロレタリアートの独裁がすぐにもやってくると信じた。彼らは間違っていた。この革命は広がらなかった。絶望の中で、ムッソリーニの監獄の中にいた一人の若いイタリア人、社会主義者のアントニオ・グラムシが、問題は、西ヨーロッパ諸文化の根元にあるキリスト教なのだと書いた。彼はマルクス主義者たちに、これらの国々の内部に第五列(隠れ反対派閥)を育てて、西欧文化の土台を破壊することを奨励した。そうしてこそ、初めて国際的社会主義が実現するだろう、と。

 

この政権転覆への呼びかけは、ドイツのフランクフルトの「社会研究院」を根城とする、マルクス主義学者たちによって取り上げられた。ワイマール・ドイツの混乱した環境の中で、マックス・ホルクハイマー、ヘルベルト・マルクーゼ、エーリッヒ・フロム、テオドール・アドルノ、それにジェルジ・ルカーチのような理論家たちが、ジークムント・フロイトと古典的マルクス主義の理論を統合して、批評理論、解体理論、ポスト構造主義、それにポストモダニズムの基礎を発展させた。フランクフルト派と呼ばれた、これらの多くの知識人は、ヒトラーのドイツを逃れてアメリカへ行き、“進歩派”や社会主義知識人に迎えられた。フランクフルト派の理論は、(1960年代の反文化運動の先駆者を結び付け、それ以来、我々の大学や学校のあらゆる学問分野へと広がった。植民地化、隷属、抑圧といったことを問題にするこれらの理論は、現実に西洋の高等教育を植民地化してしまった。

 

マルクシズムは常に、高尚に響く理想世界のレトリックの衣をまとっている。これは計略である。文化マルクス主義者が求めているものは、真の多様性、社会的調和、また普遍的な寛容といったものに何の関係もない。彼らは、人種同士が仲良くやっていくことを望んでいない。彼らは権力を求めている。文化マルクス主義者が作り出した、身に感ずる諸々の不正に対する“解決”は、ラディカルな社会的操作である。この社会的操作を行う権力は、もちろん、イデオロギーに沿って社会を作り直す決意をもった、政治的に正しいエリートに与えられねばならない。

 

これが、文化マルクス主義者が常に、政府、大学、あるいはメディアなどの、影響力をもつ地位につこうとする理由である。社会を改造するという過程で、これら文化マルクス主義者が、大きな富や地位や権力を手に入れるのは、驚くに当たらない。これこそ、出世や蓄財が、“嘆き苦しみ(grievance)産業”によって可能になる仕掛けである。それはまた、マルクシズムが、野心的で良心をもたない人々にとって魅力をもつ理由でもある。

 

文化マルクス主義者が被害者と呼んできたグループの人々が、現在、前より悲惨な境遇にあるのは、驚くことではない。過去50年間の黒いアメリカの凋落は、現代の悲劇である。どんな尺度によっても、黒人の共同体は悪化の一途をたどっている。文化マルクス主義日和見主義者によって大声で求められている解決は、同じことの繰り返しで、これらの共同体の没落を加速化している。

 

マルクス主義は20世紀を通じて、地球上で最も恐ろしく、最も破壊的な信仰体系であることが判明した。それは莫大な死者を出し、それが根付いた所ではどこでも、一連の崩壊、苦しみ、荒廃を後に残した。マルクス主義イデオロギーは、1990年代についに放棄されるまで、ヨーロッパとアジアの伝統的文明を崩壊させた。それが他との交配種の形で、我々の社会の基盤を食い滅ぼしながら生き残ったのは、西洋においてである。その基盤はいつまでも持つものではない。片足が失われ、火炎瓶が投げられ、犠牲者を作るあらゆることが起こるごとに、国家の統一にまた一つひびが入る。そして統一なくして合衆国はありえない。

 

http://dailycaller.com/2016/09/29/cultural-marxism-is-destroying-america/