1000年 | 猫の島調査報告書

猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

出光美術館の書の展覧会に行ってきた。

近頃瞬間風速マイブームの西行の、書いたものを見たいなと思っていたら丁度よく発見。
場所も日比谷ということで、映画アリスのお人形を有楽町寄り銀座に見に行く流れで、いい感じの休日であった。

展示品は70点以上でスペースはゆったりして見やすかった。
気になった作品に戻りたかったりするので、順路が緩いのも好かった。

1000年、1200年前の紙が墨跡黒々残っているというのが凄いことだし、それが今も読める言語や文字で書いてあるっていうのもなかなか無いと思うし、予想外にそういった外形的な事実に対する感動も有った。

西行筆(伝)の中務集は、これまた裏が軽く透けているくらいの薄い紙で、冊子様になっているもの。
字は端正な感じかな。勝手な個人的解釈の西行のイメージからすると、地味な気もするぐらい。何歳頃に書いたものなんだろうな。

面白かったのは、
元版法華経(巻十九)、第3展示室入ったところの懐紙帖、後は平安の所謂古筆。藤原公任、定家、行成なんて教科書でお目にかかった皆様の揃い踏み。書かれてる内容も壬生忠見の歌だったりするので、燃える。紀貫之も。
昭憲皇太后の、赤地に金の紙の上になじむ墨の鮮やかさ。

好きだなと思ったのは、
伏見天皇の筑後切、御歌所で有名な高崎正風(正三位当時)の寿字拝受記。
基本、強くて派手めのが好きなん。