お久ぶりの読書感想記事である。
まぁ、軽くね。
かなりネタばれモードなので、ご注意を。
「サクリファイス」/アンドレイ・タルコフスキー/河出書房新社。
ヨーロッパの某国を舞台に(いや、原作に書いてないんだもんよ)、
或る男の誕生日の1日を描いた短編小説。
映画にもなっているようです。
つか、ノベライズに近いのかな。映像ありきな感じがする。
物語の序盤、
子供と一緒に、枯れた流木を地面に立てるわけですよ。
家の近くの野っぱらの岩の割れ目にです。
「昔々、坊さんが枯れた木に水をやり続けたら、
いつしか花が咲いた」
そんな話を男は子供にする訳です。
子供は或る事情により声が出せないため、男はひとりで喋り続けます。
この辺りの描写が終盤、見事に反転するんですね。
やがて、
親子は、男と妻が愛している家へと帰り着く。
家では男の誕生日を祝うために、
ささやかながら、家族、旧知の客、招かれた客が集い、
晩餐を囲むのでありました。
さて、そんな中、或る一報が、彼の家に届けられます。
いえいえ、彼の家ではなく、彼の国、それを含むヨーロッパへと、
届けられるのです。
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美しい(であろう)風景描写と
始終悩んでいるような男の内面描写は、自分にとって大変とっつきやすく、
もし、1週間と1日前に読み終わっていたならば、
軽く読める掌編として、多分まったく違う感想を持ったのではないかと
今日の僕は考える。