鏡子フィギュアが欲しい@少女ファイト特装版7巻 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

猫の島調査報告書-いつか、ギラギラする日々.jpg


今日読んだのは、
「いつか、ギラギラする日々」/河野典生/集英社文庫。



短編集ではあるが、満足できちゃう濃さと退きの良さ。
河野典生いいねぇ。


推理作家協会賞の「殺意という名の家畜」を読んで以来のファンだったり。
流れる軽い文体で、やりたい放題自由自在な描写が好きだ。





<収録作品>
・「いつか、ギラギラする日々」
あああ、今で言うならキレる若者なんて薄っぺらな言い回しで表されちまうのかも。やだなぁ。
でもこの熱は本物。ジャズ小説であり、犯罪小説であり、青春小説。


・「羽根のない鳩」
こんな作品も書くんだな。
子供と男の交流を描いた「激しい鳩」と、ピンクがかった体色で流し目をする鳩が現れる「悩ましい鳩」で構成される。


・「チャイ売りの声」
インドの列車を舞台にカメラマンとバッグパッカーの日本人同士の交差が描かれる。
アフガニスタンは道路もいいし、農業国で人間の表情がいい、なんて描写に涙。


・「驟雨の街」
男と女の明確なドロドロから、女の堕ちていく様が叙情的に描かれる。バブルより10年も前なんて分かんねーよ。


・「殺戮の夏」
夏の日の散弾銃乱射を、犯人の青年が弁護士に語る体をとった中編。
流されてるなぁ。




以上。