「めざまし塵劫記―笑いと数の江戸文化」/西田 知己/東洋出版。
物語っぽい問題が多い算数の参考書「塵劫記」と、
坊さんの作編した笑話集「醒睡笑」をメインに話をピックアップ、
江戸時代の数にまつわる文化・一般常識を感じ取る1冊。
「お江戸でござる」くらいの軽さですな。
江戸期の本の挿し絵は細かくて、それも面白いんだな、これが。
できれば現代語訳の隣に原文も置いといて欲しかったお。古文のとっかかりになってくれそう。
古文好きが増えると、それ関連の出版点数が増えたり、面白そうなネタの検索ができやすくなるので、硲が喜びますw
「塵劫記」は当時は誰もが知ってる超有名な本で、商売繁盛とそろばんの関係は切っても切れないものと言う状況がよく解る。
面白かったのは立木算を踏まえた笑い話。
往来で疲れて両膝に手を突いて立ってる人を見て、
「あれ誰だったっけ? 見覚えがある」
「名前は思い出せないけれど、確か『塵劫記』に出てくるひとだよ」
木の測量方法として、
両膝に手を突いて股から逆さまに覗きこむ
→木のてっぺんが見えた位置から木の根本までの距離=木の高さ
(覗いた姿勢の腰の角度が90度になり、直角二等辺三角形になるから)
てな方法が「塵劫記」に載ってたのを踏まえてるんだってw
そーゆー、しれっとしたのが好き。
そろそろミステリ読書に戻ろう。