空白の叫び(上) ※ネタバレ有 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


「空白の叫び」上/貫井徳郎/文春文庫。
凡庸であることを忌避する孤高の不良・久藤


資産家の息子にして天才気味の美少年・葛城


育児放棄され祖母叔母と共に暮らす地味な普通の子・神原


三人の14歳が、如何にして殺人に至ったのかを描いた上巻。




貫井は、中学生書くのも巧いなぁ。
揺らぎ加減が我がことに比定されて懐かしい。













以下、感想メモ。
ネタバレしかないので、注意。














不良・久籐、泥沼に入り込む。
この子精神的Mで潔癖過ぎる。
潔癖なのは3人ともかな。


柏木のストックホルム症候群・亜種が怖い。三文芝居の痴話喧嘩でもなんでもいいが、「あたし」という一人称の女だけは勘弁。「あたしたち」とか更に破壊力高ス。






天才坊ちゃま・葛城は、もう仕方ないような。
ここに至るまでは本人悪くないしなぁ。
いつ爆発するか、ホラー映画の来るぞ来るぞキター位の予定調和。

葛城が宗像夫婦の子供ってのは妄想かね。ありがち過ぎ?






普通の子・神原が意外。
神原の父親は、葛城父だとずっと思っていたのだが、神原地味顔だから違うか?叔母は美人じゃないんだから、母方祖父に似て両親に似てなければいいのか。
これ、今後も引きずるかな。