モヤモヤ靄 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


記憶が掘り起こせないでモヤモヤ中の硲です、今晩は(・ω・)ノ


ミステリ関連の話題で、
江戸川乱歩のではない「二銭銅貨」の話が上がっていたのを最近読んだのですが、どこで誰が書いた文章なのか思い出せないのです。



なのですが、一応現物に当たるってことで。
「渦巻ける烏の群 他三篇」/黒島伝治/岩波文庫。
の中から、「二銭銅貨」。
微妙にネタバレ。

貧乏な家庭の子・藤二は仲間の少年たちとする独楽遊びに必死でした。
ある日、新品の回し緒を買ってもらえることに。少しだけ短かったその緒は、十銭のところを八銭にしてもらえました。
でも、まだ幼い藤二は緒を新しくしても上手く独楽を回すことが出来ず……



伏線バリバリで、あっと驚く結末ではあるのです。この辺りがミステリ系かな。
7ページの短編中に、人の情の機微と生活が描写され、結末でぽーんと突き放される。(他の収録作品も似た味わいでした)
哀しい結末でした。
んーそもそも、この作品のことではなかったのだろうか。




<収録作>
「二銭銅貨」
「豚群」
「橇」
「渦巻ける烏の群」


以上。