優しきものは夜の月 | 猫の島調査報告書

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月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


昨日は体調が思わしくなかったので、美しい小説を読んだ。

「わすれなぐさ」/吉屋信子/河出文庫。


昭和初期のお嬢様学校に通う3人の少女達の物語。

80年前に書かれたとは思えない内容だった。

メインの登場人物は3人。
3年生だから、今でいうと高1ぐらいか。

派手グループの姫・陽子
ガリ勉グループの筆頭・一枝
地味ながら孤高のひと・牧子

同じ教室に居る以外、ほとんど接点の無かった彼女たちが、
ひょんな思いつきから交わった1年間が描かれる。


時代がら言葉遣いの美しいこと、
少女小説独特の煌々しい地の表現の心地よさ。
アップテンポなストーリーでありながら、退きの情景を挟みこむ巧さ。

そして特に終章、海辺の描写は声にして味わいたい贅沢な文章だった。




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乙女な雰囲気ぶち壊しですまん。