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やっと下巻が見つかった。(←家の中の話)
- 蜘蛛の巣 下 (創元推理文庫)/ピーター・トレメイン
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さて、
高等弁護士で修道女なフィデルマは、
とある郷士の殺人事件が発生したため
現場に派遣される。
彼女の役割は、法律家として、
権限をもって調査・審議をし、法に則った弁償の多寡を言い渡すこと。
(今時の検察と裁判官の両方?)
ところが
族長とその姉が殺されるという大事件に、
現地で犯人として拘留されていたのは
生まれつき盲目、かつ聾唖の若者だった。
意思を通じ合わせる術のない相手を前に、
フィデルマはどうやって真実に至るのか。
しっくり来た作品だった。
好みかどうか、とはまた違う所で
登場人物の物事の考え方に違和感がない、
訳文が読みやすい(文体、漢字の開き具合、訳注の入り方も)作品で、
読むのが非常に楽だった。
時代背景の描写が濃いところや
法律問答、宗教論争、ケルト文化など好みな要素が多々。
法律や宗教観など堅いと思われがな題材が、生活に根付いた視点からだとどれだけ面白くなるのか。
またそこに絡み合って浮かないミステリ。
「風より疾きものは?」
「雪より白きものは?」
「剣より鋭きものは?」