ユーモア脱力系ミステリー。
決して本格ミステリは望んじゃいけないが、視点は鋭くて好きだなぁ。
「田舎の刑事の趣味とお仕事」/滝田務雄/創元推理文庫。
こいつぁ様子がおかしいぞ。
山ん中の警察署にひとりの切れ者刑事がいたと思いねぇ。
奴さんの名前っていやぁ黒川って、まあ男前な面が浮かぶようなもんで、
部下には白石やら赤木やらってなんか気ぃ抜けそうな取り合わせだったりもすんだけどさ。
(そういや1ページめ初っぱなの山本ってぇのは誰だ?)
んで、当の黒川。名前を鈴木ってぇのさ。
縮めねぇで言やぁ黒川鈴木くろかわすずき。
敬語使いで、ちっとばかし運の悪い、んでもって秘密があったりする三十路の巡査部長。
こんのお人が、名前に見合ったへんちくりんな事件に引っ張り回されるってぇのがこの本なわけよ。
<収録作>
●「田舎の刑事の趣味とお仕事」
出荷前のワサビ農家が根こそぎ盗難に遭う。
現場検証に向かった黒川は証言から、ある可能性を思いつく。
●「田舎の刑事の魚と拳銃」
湖の近くの木立に銃痕が見つかる。
黒川は頼れる赤木と共に湖畔のボート貸しのオーナーに聞きこみをするが、その途中、思いもよらない人物と遭遇する。
●「田舎の刑事の危機とリベンジ」
田んぼの真ん中に建ったコンビニに強盗が。
運悪く居合わせた客が人質になってしまう。
ところが警察が突入しようとしたその時、
完全包囲されていたコンビニから強盗は消え失せ、店員と人質(うん、黒川刑事のことなんだけどな)だけが残されていた。
●「田舎の刑事の赤と黒」
没落した旧家に伝わる2億円のルビー。
カラスに盗まれたという宝石を、借金持ちの相続人は探し続けるのだが……。
●「田舎の刑事のウサギと猛毒」
ストーカー男が田舎町で交通事故死する。
事故現場のあとは不審点を残すも自殺と判断される。
車には青酸カリが積まれていたのに、わざわざ別の手段で自殺をするものだろうか。
悩む黒川をあらたな災難が待ち構えていた。
で、纏めっと
妻最強伝説、開幕(笑)