座間味くん 1 | 猫の島調査報告書

猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目

面白かったが、
あらすじを書きにくい作品だ。


「月の扉」/石持浅海/光文社文庫。

<あらすじ>
那覇空港で起こった旅客機ハイジャックを犯人視点で描く作品。
犯人グループは、メンバーが師と仰ぐ、数日前に逮捕された人物を警察から連れだすことを要求。
2時間のタイムリミットを前に警察は、犯人グループはどのように動くのか。
……そして旅客機の扉が開かれた。

てゆーのが一番簡潔にして嘘をついていない説明。


なのだが、

密室殺人 とか

名探偵 とか

そういう単語が、
作品にきっちりハマっているのです。




<感想>
座間味くんは、そういう役割でしたか。
ご苦労様というか、とばっちり被りまくりな人だなぁ。

気になったのは、座間味くんがペーパータオルで拭きたいからって、何故そこのドア開けるんだ? 隣のトイレでいいじゃん。
それとも移動させた時にすでにメッセージが見えてたから、わざとか?
探偵していいと言われてるのだから、普通に現場検証させてもらえそうだとも思うが、一応変な横槍入れられないようにってことなのかな。

なにはともあれ、不当逮捕もいいかげんにしろよ!
いやだって、あの理由は有り得ないだろう。しかもその為にハイジャックまで引き起こされたわけで、あれが一番どうしようもない。

最終的に、全てのlunaticaロジックは納得。
和子の姉の思考だけはよく解らん。まぁ、ここに居るんだからそういう考えだったんだろうっていう範囲。
トリックは略予想内だったが、そんなことは大した問題じゃない。
この作品は完全にwhyダニなんだなぁ。
結果事象→犯人の思考を推論→物証確認の順番だよね。

個人的に最後のシーンは要らない。座間味くんのキャラ付け以外に意味がないから、空港ですっぱり幕切れで良かったと思う。