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猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


今日読み終わった1冊をご紹介。
今月一番楽しんだかも知れない。


「七度狐」/大倉崇裕/創元推理文庫。
七度狐 (創元推理文庫)/大倉 崇裕
¥903
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牧場の緑シリーズ2弾目。
出版社に勤めて2年目の緑は、相変わらず『季刊落語』編集部の資料の山と、寄席を往復していた。

さて此度、
当代きっての落語家・春華亭古秋が、杵槌村・通称『狐村』で後継者を決定する大事な一門会を開くという。
ところが、緑が野を越え山を越え取材に到着した途端、俄かに空かき曇りw豪雨とともに山のどん詰まりに在る村は陸の孤島と化した。

会場となっている古びた旅館には古秋、噺家である3人の息子達、付き添いらしい娘、弟子、それから緑。
曰くありげな脇役多数に村の駐在(!)。

舞台設定完了。
後は事件が起こるのみ(笑)


どう見ても○○の動きが怪しいと思っていたら、それどころではなく想像した以上にデカいヤマだった。

のどかな過疎農村が息吐く暇なく地獄絵図。
あまりのハイペースには驚嘆の一言。そのため、途中の現場の混乱具合と村感は凄まじい。
灯りの届かない闇の裡から手が、脚が、狐の顔が!
夜道に電灯がなければ灯篭を使えばいいじゃな~い(゜∀゜)なんて、どうみても立派な凶器です。本当にありがとうございまs(r

また、老人が大活躍で混乱に拍車をかける。
70の80の、果ては95にして野山を駆ける婆まで登場。お願いだから笑いながら走ってかないでください怖いから。横溝っぽいのは、このかたの印象か。



狐にまみれた先代古秋の失踪エピソードを枕に、最後の最後まで手綱を緩めず素晴らしい緻密な読者サービスでかたられた。
よく400ページで纏められたと思う。いい濃縮だった。
読後感は解説で霞流一も書いていたが京極堂シリーズに近い。
(そういえば動物題名だから霞解説なのか?)



それにしても百匁蝋燭のところが一番怖かったな。