何しろよく夢を見る。
読んだ本よりは少ないがかなりの数の夢を覚えている。話題にこと欠いたら使えるネタ多数だ。
さて、いわゆる夢占いを期待して読み始めた作品がこれ。
「ゆめつげ」/畠中恵/角川文庫。
- ゆめつげ (角川文庫)/畠中 恵
- ¥580
- Amazon.co.jp
幕末の江戸、小さな神社の跡取り兄弟の巻き込まれた事件がメインで進む。
ペリーが来てから10年後という設定なので、今の目で見れば明治は目と鼻の先。世情不安定で辻斬りの数が急上昇な、ちと物騒な時代だ。
さて、
兄の弓月には特殊な能力があった。
ゆめつげ(=夢告)という、一種の神懸かりトリップにより、物の行方などを占うことができたのだ。
(期待していた夜見る夢というより、白昼夢系ということが判明。)
そこへ、ご大層な神社の権宮司が是非にと兄を招きにやってきた。
佐伯宮司は、指折りの札差(=金貸しですな)の青戸屋の息子が誰なのかを、夢告げで見てほしいという。
息子が誰か、とは?
実は、青戸屋の息子は幼い頃に震災のどさくさで行方不明。この度、探した結果3人の少年が名乗りをあげているのだとか。この中に本当の息子はいるのか。
これって、お屋敷ミステリーの常套設定やんなぁ。
大金持ちが遺産分配
→生き別れの息子を探す
→息子大量発生
→探偵出動
→連続殺人発生 みたいな?
しかし
この話がそれだけで終わらないのは、事件の舞台がお屋敷(=青戸屋の邸宅)ではないこと。
そして先にも挙げた不安定な世上が大きく絡み、予想外な話の転がりかたをする。
気になったのは、作風は少し違えど「しゃばげ」の若旦那と、弓月の喋り口が同じなんですよ。ぽややん。
二十歳超えてそれは、弟もしっかりするだろう。
夢告げシーンが分かり難いきらいはあったが、予想外に軽く読めた良作品だった。しっかり者の弟・信行や、青戸屋の夫婦、3組の親子、権宮司など登場人物達も魅力があり、今までの畠中作品の中ではかなり好きな方だ。
ううむ、設定上シリーズ化は難しいかな。
兄の能力を使ってシリーズにすると折角の新境地が薄っぺらくなりそうだし、ここは1冊で完成と納得しておく。
- しゃばけ (新潮文庫)/畠中 恵
- ¥540
- Amazon.co.jp