HARDROCK LOVERS ONLY | 猫の島調査報告書

猫の島調査報告書

月夜にささやかな酒宴 ことのは積み上げ十年目


今週は、ほとんど本が読めていないじょ(;ω;)
仕方がないので、先週末に読んだ中からピックアップなのだ。


「自選・ショートミステリ」5/講談社文庫。

の中の、
「ハードロック・ラバーズ・オンリー」/有栖川有栖。

またもや学生アリスシリーズ短編。
(短編も手元にあるのは紹介してくつもり)


今回も日常の謎だ。
英都大学近くにある『ハードロック・ラバーズ・オンリー』と書かれたロック喫茶。コーヒーとなによりロックに溢れた店を気に入って通う内、アリスは1人の女子大生と知り合いになった。
店の大音響の中で筆談をしたこともある二人だが、しかし街中で彼女に会っても無視されてしまう。


いわゆる『日常の謎』には、殺人は起きないが作為的な行為が産んだ謎と、
元々作為のない、他面から見るとまったく不思議ではない謎がある。
この作品を読んで、そうくるか! という思いと、これに気づかなかった自分が情けない思いが生まれた。
ラストの傘から伝わる雨の音色は本当のロックだろう。情けないとへこむ心を緩やかに受け止めてくれた。


HARDROCK-LOVERのみならず、全ての音楽を愛するひとにオススメの作品である。




ミステリー傑作選・特別編〈5〉自選ショート・ミステリー (講談社文庫)/著者不明
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