「方舟は冬の国へ」/西澤保彦/光文社文庫。
- 方舟は冬の国へ (光文社文庫)/西澤 保彦
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あらすじは「きもちー(´∀`) 」参照して下さい。
純然たるミステリではない。しかし、世界は或る意味ひっくり返された。
非日常の中にも日常を作り出そうとする疑似家族たち。手持ちぶさたになりそうな時、彼らは共に食事をし、トランプをし、洗濯や掃除を全員でした。
本当の家族なら、別荘に来てまで一室に固まってはいないだろう。と主人公は思う。家族なら、共に居なくとも家族であることは止められないから。
日常の謎的な挿話は幾つかあったが、それは逆に伏線となりつつも、めくらましと言えるだろう。
さて
夏が終わり、そのまま冬が来るならば、その先も来るのだと。
強いイメージを打ち出すところが、西澤の作品に多い突き放した感と違うように思う。またいわゆる優しい作品群よりもっと積極的な姿勢だと思う。
間接的に見えた中年の主人公や、ウェディングドレス姿の娘のイメージが強かな未来予想図を補強してくれている。
設定はエンターテイメント映画的で荒い部分もあったが、読後感もよく前向きになれる作品だった。
♯ウパニシャド関連は久しく調べることもなく、記憶が風化の一途を辿っているわけで。勉強は大事だと痛感する次第。
♯今回の難読名字は、少なめでした。(音しか出てないのは幾つかありましたが。)
「十」と書いて「つなし」と読むかたが1人。
「言語同断」と書いて「てくらだ」と読むかたが1人。