私の 白鳥の湖
とうとう その日が やってきました。
練習の成果を 見てもらう日です。
この日の体調は まずまず。
たくさんの メッセージが 携帯に入る。
病気を知って居る人の メッセージも 入ってくる。
涙が 止まらない。
こんな病にさえならなければ・・・
何で 私が こんな病にならならないとだめなの?
気持ちを必死に切り替える。
『スペインと言う踊りに 全集中をさせてくれるチャンスをくれたのよ』
そんな スペインの相方に
必死に そんな気持ちになろうって 頑張ってみる。
それでも 涙が止まらない。
トウシューズで色んな事があって それなりに頑張ってきたのに
私 白鳥に慣れなかったんだ。
台風が近いのか
空も 一緒に 大泣きしてくれそうだった
奥歯を かみ締め わずかに 歯を出した。
目を 出来るだけ 大きく開いて 軽く上を向く。
『よろしくお願いします!』
笑いながら 控え室に入った。
午前中から 始るゲネプロ(リハーサル)
お昼ごはんを 終えて・・・ チョットだけ一人の時間。
急に 変ったものだから 紙袋に私が着るハズだった白鳥が 声を殺して 泣いていた・・・
誰に 着てもらえる事のない私の衣装 飛べ無いあひる・・・・
『そろそろ 本番の容易をしてしてください。』
そんな声がかかった。
『琴ちゃん 先に 着ちゃいましょうか、スペインのドレス。』
スペインの先輩が 声を 掛けてきた。
。。。
今 着たくない
今だけは スペインの衣装 着たくない。
スペインの先輩に 外に 出てもらうように 声を掛けた。
『舞台に出れないのは 解かってるんです。
でも 一緒に 練習をしてきたんです。
舞台袖でもいいから 踊りたいんです・・・・
だから 私も 白鳥 着たいんです』
必死に 想いを伝えた。
サラッと
『解かったわ。 サア 着ましょう!!!』
そういって 白鳥の衣装を着せてくれた。
何人も人が 『琴ちゃん躍らせてもらえるの?』と 聞いてきた。
精一杯の 笑顔で
『思いは一緒! 袖で 踊ってるからね~~』
そう 答えた。
そう 答えた。
スペインの顔をした 白鳥
スペインの メイクをした私
どう? 笑えるでしょ!!!!
そこに 先生が 来てしまった。
『袖で踊ってもいいですか?』
恐る恐る 聞いてみた。
『あなたが そんな風に行ってくれるなんて思わなかった。』
『良いわよ。踊って』(本来は 衣装が 破れてしまったりするのでダメです)』
『あなたからは たくさんのこと教えてもらったわ』
そんな風 先生に言ってくれた。
本番5分前ブザー
『私ね いつも 舞台にキスをいするんだよ』って 先生。
『私もです』って答えた。
二人で 舞台の片隅のフロアにキスをした。
鳴り止まない カーテンコール 夢見て。
そんな想いで舞台にキスをした。
『行ってらっしゃい』
全員の 白鳥に手でタッチをして舞台の 送り出した。
残った 4羽に声をかける。
『舞台の妖精が キスをしてくれるから大丈夫。』
『たくさん 練習してきたでしょ。 だから 大丈夫』
『後は 楽しんで来てね』
そんな 言葉で 何人も送り出した。
短いけど・・・・
自分の 番がきた。 袖で踊る私だけの 白鳥。
♪ タランタラン タランタラン タランラン タララララ
短い時間 私は 今の私の精一杯の白鳥を 踊った。
それは あひるではなくて
みんなと息のあった白鳥だった。
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コメント

袖で踊る私だけの 白鳥
すばらしい体験をされてのですね、感動です!![]()
2008/9/20(土) 午前 4:48[ Joy all ]返信する

辛い出来事でしたね、この文章を読んでいると、琴さんがバレリーナのヒロインみたいな感じがしましたよ。白鳥の湖を最後まで見守れた琴さんは先生と糸で結ばれてることでしょう。![]()
2008/9/26(金) 午後 10:03返信する
白鳥に対する琴さんの思いが伝わってきます。
病気を治してから、今度は舞台で踊って下さいね。
2008/9/20(土) 午前 11:39
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