今回はスフィンクス参道について書く。


この参道はカルナック神殿とルクソール神殿を結ぶ全長2.7キロほどの長い道である。


Googlemapより


近年修復作業が終わり、2021年末に大規模なお披露目のパレードが行われた。

古代エジプト風のパフォーマンスは圧巻なので、是非一度ご覧いただきたい。


ルクソールはかつてテーベと呼ばれ、新王国時代を含めて長い間首都として栄えた。

その要となる2つの大神殿は政治と宗教の中心であり、エジプト世界の中心だったと言っていいだろう。

その威容を讃えるに相応しく、遥かな一本道の両脇には延々とスフィンクス像が飾られている。



実際にこの参道を歩いたが中々骨が折れた。

しかし、道中にも展示があって楽しかった。



日本で言うお神輿だろうか。

古代エジプトでは太陽の移動を船に乗った太陽神の移動だと解釈していたそうだ。

よって船の形がとられているのだろうか。

宇宙的なデザインに思える。


屋外に置かれているので当然レプリカだが、装飾が凝っていて素敵だ。


インドでは車輪が太陽を表し、スーリヤ寺院では建物に車輪が付いていたりするらしい。

文明により太陽を何に例えるかは違うようだ。



延々と続く参道に少し気疲れしてきた頃、トラブルが起こった。


参道の脇を覆った壁を乗り越えて、サッカーボールが落ちてきた。

壁の外は道路で、そこで遊ぶ子供達が蹴り上げてしまったのだろう。


ここは重要文化財の一部であり、そんな所にボールが飛んできたことに驚いたが、それから困ったことになった。


その時に近くにいたのは私1人だけで、気づけば壁によじ登った子供たちがアラビア語?で一斉に私に向かってボールを投げ返せと叫んでいる。


一方で、後方5mほどのテントにいる長い銃をさげた警備員がじっと私を目で追っていることにも気づいていた。

余計なことをして面倒な事態になると困る。


やり過ごそうと歩き出したが、助けを求める声はどんどん大きくなった。

10歩も行かずに耐えられなくなり、ボールに駆け寄った。


もし緊張で手元が狂って高さが足りず、壁に跳ね返ってスフィンクス像に当たったら重罪になるのでは?

そんな考えが一瞬過ぎったが、仕方なく一息にボールを投げた。


ボールは無事に壁を乗り越え、子供達の声は歓声に変わった。

バスケットボールの3ポイントシュートを決めたような高揚感をそのままに警備員を振り返ったが、彼は目を逸らしてくれていた。

きっと見逃してくれたのだろう。


そんな一幕もあり記憶に残る参詣となった。