石川県で大きな地震があった。

地面は割れ、建物は崩れ、人がたくさん亡くなり、衣食住が不足している。


私ができることは募金ぐらいだが、心許ないながら記録も残す。


2022年2月、石川県で私は初めて1人きりで任された案件を何とか形にしようと苦闘していた。

慣れない雪国の通勤は大変で、そもそもどうやって車を出せば良いのかすら分からない程雪が降った日もあった。


もがいている内に仕事にやっと目処がつき、運良く休暇がもらえた。

候補は幾つかあったが、滅多に足を運べないであろう輪島に向かうことにした。


調べると金沢から輪島までは車で2時間40分ぐらいだった。

しかし雪国でのロングドライブに怖気付いた私は迷わずバスでの移動を選んだ。


荒々しく唸る真冬の日本海を横目に見ながら直走るバスからは、行きと帰りに一台ずつ、スリップしたためか元の2/3ほどの大きさにひしゃげたレンタカーを見かけた。

私も自分で運転していたら事故を起こしていただろう。選択は正しかった。


到着してまず朝市通りに向かった。

しかし、露天はほぼなかった。

10時過ぎの到着では遅すぎたのだろうか。

観光客が少なかったので、2月はオフシーズンだったのかもしれない。


一軒やっていたお店で遅めの朝食を摂った。

『漁師の店 こだわり』さん


食べたのはフグの海鮮丼だったと思う。

新鮮で、特にフグの白子が絶品だった。

中々お目にかかれない一品のようで、これを食べただけでも来た甲斐があった。

箸は輪島塗で、持ち帰りokだったので自分へのお土産にした。今も愛用している。


その後、輪島塗の美術館で輪島塗の奥深さを堪能した。

漆器の黒い肌は静謐で美しかった。

その素地が宇宙、竹林、海、空と様々に見立てられ、蒔絵や螺鈿で描かれた風物の美しさを際限なく引き出していた。


HPより


漆器の黒を夏の夜に見立て、蒔絵で淡く光る蛍を描いた小箱が特に美しかった。(右上)


それから近くのお店で海老が描かれた輪島塗のお猪口を買って、祖父母の長寿のお祝いに贈った。


続いて白米千枚田に行こうとしたが、バスの時間が合わず断念し、和倉温泉へ向かった。

輪島の旅は以上である。



実は去年、輪島を旅しようと計画していた。

『君は放課後インソムニア』というマンガにハマって、見附島や白米千枚田を見に行こうとした。

しかしその頃、石川県で見附島が崩れるほどの地震があったので先延ばしにしていた。


追い打ちをかけるような今回の地震で、輪島は大きく傷ついてしまった。

見附島は更に崩れ、棚田も引き裂かれてズタズタになってしまったそうだ。


今は経過を見守る他にない。

朝市通りも千枚田も輪島塗も十分に堪能出来たとは言い難い。

落ち着いたら足を向けたい。


早く輪島の人々に平穏な日々が戻るよう祈るばかりだ。