今回はルクソール神殿について書く。

ルクソール神殿はカルナック神殿に付属する神殿であり、互いに参道で繋がっている。



古代エジプト最大の祭りだったオペトの祭りでは神輿が参道を通って2つの神殿を行き来したというから、重要な存在だったのだろう。


↓神輿は下記参照

正面の巨大なオベリスク(方尖塔)は二本一対のうち片方だけが残っていて、もう片方はフランスの広場にある。

巨大な石の塊を運ぶのは大変だっただろう。

オベリスクは継ぎ目がなく滑らかで美しい。
驚くべきことに、オベリスクは巨大な岩から一本丸ごと切り出されている。
(南の都市:アスワンには切掛けのオベリスクという、作業途中でヒビの入った岩が野晒しで捨てられている。失敗作だろう)

遥か南で生まれたオベリスクは、ナイル川でわざわざ運ばれて神殿に収まり、今度は海を渡ってフランスの観光名所になっている。
運命とはわからないものだ。



内部には建築王:ラムセス2世に関する作品が多く、その威容は見応えがあった。




像の側面には王の家族の姿や、占領先で得た捕虜の様子が刻まれていた。


背面ではラムセス2世の治世の長さをトト神が目盛りで示している。

根元にあるのは永遠を意味する記号らしい。



70年近く世を治めた強大な王に相応しい表現だと思う。


日本では大仏を除き巨像を建てる習慣はあまりないので、絶対的な力の象徴として存在感を放つエジプトの巨像は新鮮だった。


この記念碑的で静的な神殿も、祭りの日には人々が集まって熱狂的な盛り上がりを見せたのだろう。
そんな想像をして楽しんだ。