今回はカイロの交通についてまとめる。
1.地下鉄
カイロからハンハリーリ市場の近くまで地下鉄で移動した。
8駅までは20〜40円程度でとても安い。
ただし、一度通勤ラッシュに巻き込まれて満員電車に乗る羽目になった。
扉にへばりつきながら、日本を懐かしんだ。
道路も電車もカイロは人で溢れている。
新首都を建設中らしいので、いずれ混雑が緩和されて暮らしやすくなるかもしれない。
2.タクシー
ピラミッドへはタクシーで行った。
タフリール広場のバス停が全然分からなかったので、仕方がなかった。
降りる時に運賃をふっかけられて揉めたし、やはり後味が悪い。
重い腰を上げてUberに登録したら、
交渉する必要はないし随分と楽になった。
(稀にチップを別に要求する運転手はいる)
交渉も大事だが、疲れるものは疲れる。
3.トゥクトゥク
後部座席のついたバイク、いわゆるトゥクトゥクがよく路上を走っている。
タクシーより安く目的地まで連れて行ってくれるが、下記を参照し注意はした方がよい。
在エジプト日本国大使館より注意
https://www.eg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00407.html
(略)
一つ思い出話をしたい。
ピラミッドからの帰り道、バス停を探し回っているうちに辺鄙なところに出てしまった。
子供なら話しかけやすかったので、商店の前に停まっていたトゥクトゥクに乗った10歳ぐらいの兄弟に声をかけると、兄がバス停に案内すると言った。
提示された値段も安かったので後部座席に乗り込むと、なんとすぐに発進した。
私はてっきり商店でお父さんが買い物をしていて、そのお父さんが戻って来て運転をするのだと思い込んでいたのである。
免許はあるのか?
保険には入っているのか?
路地裏に連行され金を奪われたりしないか?
車とクラクションが大洪水のように押し寄せるカオスな道路を、幼い子供が運転するこの小さくて頼りないトゥクトゥクで本当に渡り切れるのか?
青ざめて手すりにしがみつく私をよそに、弟の方が人懐っこく私の顔を覗き込んでいた。
途中までは何事もなかった。
少年は慣れた手つきでトゥクトゥクを操った。
しかし突然、明らかに大通りから離れた狭い道路を進み始めたのである。
これはまずい、と思った。
すっかり怯えて前を見ると、弟はそれを見て楽しそうに笑っていた。
少しずつ狭く暗くなっていく路地を進みながら、久しぶりに神様に本気でお祈りを捧げていると、トゥクトゥクは小さな家の前で停止した。
家から男が出て来た。
少年は私を指差して男と何かを話していた。
私は胃が痛くなるほど緊張していた。
しかし、トゥクトゥクは何事もなく出発した。
そこは少年たちの家で、単にお父さんに商店で買った荷物を渡しに寄っただけだったのである。
その後は何事もなく大通りに到着し、兄弟は走行していたバスを呼び止めてアラビア語で運転手と交渉し、私が乗るまでサポートしてくれた。
私は疑ったことを反省しながら兄弟にお礼を言い、神様に感謝した。
こんな風に親切な人に当たることもあるが、やんちゃなタクシーに当たることだってあるだろう。
エジプトの一人旅は運任せの部分も多いけれど、それが忘れられない思い出になったりもする。