遠慮しても遠慮しても、コートを着せようとしてくれる。

断っても断っても私の重いカバンをずっと持ってくれる。


方向が反対なのに、私のためにひと駅分、遠回りして一緒に歩いてくれた。



いつもそう。わたしのために少しでも何かしてあげたい、そんな気持ちが彼のちょっとした行動に感じられる。


駅の雑踏の中で、イタリアの街の写真の前で2人立ち止まった。


彼「サンマルコ広場かな」


私「ヴェネチアの?こんな感じじゃないと思いますよー」

「あ、(亡くなられた)奥様と行かれたんですか」


彼 うなづく。



私「本当にあちこち行かれたんですね。 

  奥様、幸せですね」



ちょっと間が空いて…




彼「ミミさんのご主人の方が幸せだと思いますよ




「ご主人とイタリア行かれてください」




ナニソレ…



そうやって急に突き放す…じゃなくて突き落とすよね。



だったら、優しくしないで。



優しい目で私の事を見つめてるのもバレてるよ、


だけど、あんなことを言われても

私の心は彼への愛おしさが溢れてきて、



それも激しいというより、

穏やかな温かい感情で気持ちが満たされているから不思議だ。



ただ彼のことを考えるだけで心が満たされる感じ。