幻の光

 

能登の雄大な自然を背景に、ひとりの女性の喪失と再生を描く。
是枝裕和監督の長編デビュー作にしてヴェネチア国際映画祭受賞作です。
 

「能登半島地震 輪島支援 特別上映」として

29年の歳月を経てデジタルリマスターで蘇る

 

芥川賞作家・宮本輝の同名小説を原作とし、

是枝裕和監督の長編映画デビュー作ともなった映画『幻の光』(1995)。

 

石川県輪島市を舞台に「生と死」「喪失と再生」というテーマを、

陰影深い映像に昇華させ、ヴェネチア国際映画祭で

金のオゼッラ賞(撮影に対して)を受賞。

国内でも連日満席となる話題作となった。

 

公開から29年後の2024年元日。

能登半島地震で輪島市は甚大な被害を受ける。

 

本プロジェクトは、デジタルリマスターで新たに再生した『幻の光』を

全国で上映し、映画に残る<輪島の風景、生活、美しさ>を

伝えようとするものである。
 

 

 

能登復興支援のためのリバイバル上映というのが気になって、

見ることにしました。

 

しかも、今や世界の是枝裕和さんの初監督作品ということを知り、

興味は膨らみました。

 

今から約30年近く前の1995年に公開された作品です。

俺の正直な印象は、もっと昔の昭和くらいの作品に見えました。

 

映像のトンマナがモノトーンに近いくらいまで色調を抑えてあることが

かなり効いているからかもしれません。

 

さて、是枝裕和さん、監督初作品から、

是枝ワールドを既に形成されていたことに驚きました。

 

静かに人の心の中を繊細に切り取っていました。

台詞は少なく、画もヒキが多く、叙情的で、彩りを抑えて、

あくまで静かな空気の中で、人の心を炙り出す感じです。

 

慌ただしくて、せわしない映画が増えている中で、

静かな輝きを放っているように感じました。

良かったです。

 

 

 

12歳の時に祖母が失踪したゆり子は、

祖母を引き止められなかったことをずっと悔いていた。

 

大人になり結婚し、息子の勇一を授かり、

幸せに暮らしていたゆみ子だったが、ある日、

動機がわからないまま夫の郁夫が突然自殺をしてしまう。

 

再び愛する者を引き止められなかったゆみ子は、

悔恨の思いを胸に秘めながら、

日本海に面する奥能登の小さな村に住む民雄と再婚する。

 

先妻に先立たれた民雄には友子という娘がいたが、勇一と友子も

仲良くなり、ゆみ子は新しい家族と再び平穏な日々を過ごすが・・・。

こんなお話です。

 

 

出演は、江角マキコ、内藤剛志、浅野忠信、木内みどり、柄本明、

赤井英和、市田ひろみ、吉野紗香、寺田農、大杉漣等。

 

 

当時はどうだったかはっきりと覚えていませんが、

一線級の俳優さんたちがたくさん出演されています。

新人監督作品とは思えない豪華キャストです。

 

逆に言うと、是枝裕和作品への出演を経て、

スターダムへの上り詰めて行かれたのかもしれません。

 

それにしても、皆さん、若いです!

まぁ、30年近くも前だから、当然なのですけどね。

その分、自分も歳を取ったということです。

 

新人の江角マキコさん、久しぶりにお目にかかれた気がします。

芸能界を引退されて久しいですが、今回改めて、

美人さんだなと思いました。

 

浅野忠信さん、内藤剛志さん、若いです!

大杉漣さんも、久しぶりにお会いできて、嬉しかった。

そして、柄本明さん、若いっ!!笑

 

 

MY評価: ☆4 (☆5で満点)