悪は存在しない

第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した

『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督と、

同作で音楽を手掛けた石橋英子の共同企画による人間ドラマです。

 

長野県の町で計画されたある施設をめぐって、

そこに住む父娘をはじめ人々の暮らしが揺らいでいくさまを映し出す。



深い。

とっても深い。

深すぎて、俺の頭で理解するのには限界を感じる。

 

要素は極めて少ない。

大自然の残る山間部が舞台です。

 

そこで静かに暮らす父娘。

何気ない日々の中で突然わいたグランピング施設の建設計画。

そこに暮らす人たちと、開発する側とのやり取り。

これだけです。

 

だけど、深い。

あの結末は何だったのか?

何が起こったのか?

あと後、どうなったのか?謎は尽きない。
 

そして何と言っても解釈が割れそうなのは、タイトルの意味です。

タイトルにある「悪」は何を指しているのか?

俺の理解が正しいか、是非濱口監督と答え合わせをしてみたい。
 

とにかく静かです。

そして、大自然の映像に敷かれたミュージック。

 

映像とマッチしていて、引き込まれます。

まるで、いつのまにか、現地に自分もいるような錯覚さえ覚えます。
 

俺は、この作品をどう評すればよいか、

この文章をしたためながらずっと考えているのですが、

答えが見つかりません。

もう一度見たら、答えは見つかるだろうか?
 

思いの外と言っては大変失礼ですが、結構長い間、上映されていて、

しかもじわじわと公開劇場も広がっています。

答え探しの機会はまだまだありそうです笑


 

自然豊かな高原に位置する長野県水挽町は、東京からも近いため

近年移住者が増加傾向にあり、ごく緩やかに発展している。

 

代々その地に暮らす巧は、娘の花とともに自然のサイクルに合わせた

慎ましい生活を送っているが、ある時、家の近くでグランピング場の

設営計画が持ち上がる。

 

それは、コロナ禍のあおりで経営難に陥った芸能事務所が、

政府からの補助金を得て計画したものだった。

 

しかし、彼らが町の水源に汚水を流そうとしていることが

わかったことから町内に動揺が広がり、巧たちの静かな生活にも

思わぬ余波が及ぶことになる・・・。
こんなお話です。


出演は、大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁、菊池葉月、

三浦博之、鳥井雄人、山村崇子、長尾卓磨、宮田佳典、

田村泰二郎等。


主人公を演じたのは、大美賀均さんです。

とにかく物静かで、口数も少なく、ちょっと薄気味悪さまで漂います。

でも、何か存在感がありましたね。

 

娘の花ちゃん役を演じたのは、西川玲さんです。

あの堂々たる演技は、将来、大物女優になれる素質があります。

頑張ってください!


MY評価: ☆3 (☆5で満点)