あんのこと

『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督が、

世界的パンデミックが起きた2020年のある日の新聞記事に

着想を得て撮り上げた人間ドラマです。

 

機能不全の家庭に育ちすさんだ生活を送る少女が、

ある出会いをきっかけに生きる希望を見いだそうとする中、

非情な現実に翻弄される。



もうハラワタが煮えくり返るような思いで、2時間を過ごした気がします。

見ているだけで、何の手を差し伸べることが出来ないのもずっと嫌でした。

 

もちろん、映画であり、スクリーンの向こうに対して

何が出来るわけではないのは分かっている。

 

それでも、主人公の杏ちゃんをどうにか救い出したいという

強烈な思いが俺の心の中を支配していたということです。
 

しかも、本作が実話がもとになっているというのも

胸を締め付ける一つの要因です。

 

あの母親は、本当に人間なのでしょうか?

我が子に対して、身体を売って金を持ってこいなんていう人は、

絶対に母親とは言えません。

鬼畜以外の何者でもない。

 

あの母親が、憎くて、憎くて、憎くて、仕方がありません。

もし今でものうのうと生きているなら、今すぐ死んでくれと言いたい。

死んで、娘に償えと言いたい。

そして、二度と母親面をするなと言いたい。
 

あーっ、言えば言うほど、思い出して、ムカムカが止まりません。
ネグレクトがここまで酷いとマジで許せません。

 

俺が絶対に許せないことは、強姦などの婦女暴行。

老人を狙い撃ちにしたオレオレ詐欺。

 

ともに、女性やお年寄りという社会的弱者を捕まえて、

喰い物にする奴らは絶対に許せない。

 

それと同等なのが、このネグレクトです。

我が子を育児放棄するどころか、薬をして、売春を強要して、

金を稼がせようだなんて、愚の骨頂としか言いようがない。

 

これらの犯罪をおかした奴らは、全員、即死刑にすればいい。

敗者復活のシステムも不要です。

 

それくらい、弱者を守ることに対して、強いメッセージを出すことが、

犯罪防止にすぐ繋がる有効手段だと思います。

法務大臣殿、急ぎ法制化の検討をお願いいたします!


 

売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、

ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしている。

 

子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、

小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で

初めて体を売った。

 

人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を

歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の

助けを借りながら、新たな仕事や住まいを探し始める。

 

しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、

それぞれが孤独と不安に直面していく・・・。
こんなお話です。

 

出演は、河合優実、佐藤二朗、稲垣吾郎、河井青葉、

広岡由里子、早見あかり等。

 


主演の河合優実さんが、本当に、本当に、素晴らしかったです!

彼女は、10年に一人の天性の才能を持つ女優さんだと思います。

 

努力では如何ともし難いものを彼女は持っている。

具体的に表現するのはとても難しいですが、俺はそう感じるのです。

他になかなかいないですもん、そんな俳優さん。

 

まだ23歳ですよ!

信じられません。

ちなみに、彼女の誕生日、俺と1日違いでした。惜しいっ!笑
 

主人公の杏ちゃんの母親が憎たらしいのは、

冒頭のコメントで十分に伝わったと思います。

その母親役を演じたのが、河井青葉さんです。

 

本当に最低最悪の母親で、終始ムカつきっぱなしでしたが、

それだけ素晴らしい演技だったということです。

助演女優賞をお贈りします!
 

善人ぶった最低野郎の刑事を佐藤二朗さんが演じています。

二朗さんには大変失礼ながら、ぴったりのキャスティングでしたね!笑
 

本作が世の中に伝えたいメッセージにとても共感というか、

同じ思いです。

 

是非多くの人に見て欲しい。

そして、この社会から、親から子供へのネグレクトが無くなることを切に願います。


MY評価: ☆5 (☆5で満点)