かくしごと

親子と偽って少年と暮らす女性の姿を描く、

小説家・北國浩二の原作を映画化したミステリードラマです。

 

事故で記憶を失った少年と出会った女性が、

虐待を受けている疑いのある彼を守ろうと、

母親と偽って一緒に暮らし始める。



何と評していいのやら、とっても難しい映画です。

 

人の善意って何だろうか?

人が人として行動すべき優先順位って何だろうか?

悪い人がのさばるルールって必要でしょうか?

真実と嘘、必ずしも真実が大事でしょうか?

ついていい嘘って、ありますよね?

嘘の全てがダメだなんてこと、ありませんよね?
 

まぁ、そんなことをいろいろと考えました。

パキッと答えが出るものばかりではありません。

 

また、世の中には、法律やルールが必要で、

それが必ずしも弱者を守るとは限らないのも事実です。

 

でも、そのルールで守られるべき人もいます。

そこが難しいところです。
 

認知症と記憶障害。

覚えていないという意味では、同じかもしれません。

 

覚えてないって、一見不幸みたいに感じますが、

悪いことや嫌なことまで忘れるという点では、

決してデメリットだけではありません。

 

でも記憶が残らないと、やっぱり張り合いは無いのでしょうね。
人は、老いると記憶力が落ちます。

 

アルツハイマーや認知症までかかる人もいれば、

どうにか日常生活は保てる人もいる。

 

こればっかりはどうなるか分からないし、

どっちに行こうとも仕方のないことです。

 

それに諍うことはムリです。

だからせめて家族やひと様の迷惑に

出来るだけならないように生きていきたい。

これだけですね。
 

ところで、エンディング、びっくりしました。

こんな展開と結末になるとは。

サスペンスの読みが、まだまだ未熟です笑


 

絵本作家の千紗子は、長年にわたって絶縁状態となっていた父・孝蔵が

認知症を発症したため、仕方なく故郷へ戻って介護をすることに。

 

他人のような父との同居に辟易する日々を過ごしていたある日、

彼女は事故で記憶を失った少年を助ける。

 

その少年の身体に虐待の痕跡を見つけた千紗子は少年を守るため、

自分が母だと嘘をついて一緒に暮らし始める。

 

認知症が進む父と3人で、最初はぎこちないながらも次第に心を通わせ、

新しい家族のかたちを育んでいく千紗子たちだったが・・・。
こんなお話です。


出演は、杏、中須翔真、佐津川愛美、酒向芳、木竜麻生、和田聰宏、

丸山智己、河井青葉、安藤政信、奥田瑛二等。


主演の杏さん、とっても良かったです。

心の中の葛藤と、自ら下した決心の表現が素晴らしかったです。

流石という他ありません。

 

認知症を患う老父を演じたのは、奥田瑛二さんです。

杏さんに負けず劣らずの素晴らしい演技でした。

もう大拍手です!


MY評価: ☆4 (☆5で満点)