関心領域

第2次世界大戦下のアウシュビッツ強制収容所所長とその家族を描いた

マーティン・エイミスの小説を原案にした歴史ドラマです。

 

収容所の隣で穏やかに暮らすルドルフ・ヘス所長一家の姿を通して、

それとは正反対の収容所の残酷な一面を浮かび上がらせる。

 

カンヌ国際映画祭ではパルムドールに次ぐグランプリに輝き、

第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞、音響賞

の5部門にノミネートされ、国際長編映画賞と音響賞の2部門を受賞した。



予告編を最初に見た時から楽しみにしていました。

予告編で言いたいことはほぼ分かった。

分かっても見たいのが、このテーマです。

 

ナチスドイツによるユダヤ人迫害。

人類史上、最も残酷な無差別大量虐殺事件です。

 

その舞台となったのが、ポーランドにある

アウシュビッツ強制収容所でした。

 

今でも毎年、このテーマで映画が製作されます。

人間の記憶の風化を防ぎたい思いも多分にあると思います。

 

戦後まもなく80年が経とうとしていますが、

語り継がれる理由が良く分かります。

 

だって、ナチスドイツのやったことは、

あまりに非人道的だったからです。
 

このテーマの映画は、主にユダヤ人視点で描かれることが多いです。

その方が、ナチスドイツの残虐ぶりをストレートに伝えられるからです。

 

本作は、その真逆です。

ナチスドイツ側、具体的には、アウシュビッツ収容所の

所長家族の視点で描かれています。

 

目を覆うような残虐・残酷なシーンは全くありません。

耳から入ってくる音や声だけが、それをうっすらと伝えてくれます。

あとは、煙突からの煙です。
 

予告編でもありましたが、やっぱり怖いなと思ったのは、

所長家族のあまりの無関心さです。

 

すぐ隣の塀の向こうに、罪のない人たちが殺されているのに、

よく無関心でいられるなって、本当に不思議です。

 

人間って、やっぱり、自己チューな生き物で、

基本的に自分さえ良ければそれでいいと考えるのでしょうか?

 

それではあまりにも悲し過ぎます。

虚し過ぎます。

 

あーっ、だんだん腹が立ってきた!

マジで、ムカついてきた!!



青い空の下、皆が笑顔を浮かべ、子どもたちは楽しそうな声を上げるなど、

アウシュビッツ強制収容所の所長を務めるルドルフ・ヘスとその妻、

ヘドウィグら家族は穏やかな日々を送っている。

 

そして、窓から見える壁の向こうでは、大きな建物が黒い煙を上げている。

1945年、一家が幸せに暮らしていたのは、

強制収容所とは壁一枚で隔たれた屋敷だった・・・。
こんなお話です。


出演は、クリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラー、

ラルフ・ハーフォース等。


アメリカ/イギリス/ポーランド映画です。

ドイツ映画ではありません。

そりゃあ、そうです。

ドイツが本作を作ったら、許せません!
 

「関心領域」
「The Zone of Interest」
いいタイトルです。
着眼点も面白かったです!


MY評価: ☆3 (☆5で満点)