碁盤斬り

『ミッドナイトスワン』などの草なぎ剛と、

『孤狼の血』シリーズなどの白石和彌監督が組んだ時代劇です。

 

古典落語をモチーフに、冤罪事件によって藩を追われた男の、

父として、さらに武士としての誇りをかけた復讐を描く。



すごく良かったです。

男の生き様として、手本とすべき倫理観の持ち主のお話でした。

 

昔の武士道は、今では、古臭いとか、時代遅れとか、

不器用、融通が効かないなどと揶揄されそうです。

 

それでも、嘘を排し、見栄や虚栄を捨て、実直に、誇りを以て生きることに、

時代錯誤なんて、あるとは思わない。

いつの時代でも、変わることのない、普遍的な倫理観だと俺は信じる。

 

嘘をついて、他人を蹴落とし、自分さえよければいいなんて人生、

「クソ喰らえ!」って思います。
 

今は、昔のような身分格差がなくて、やる気と実力さえあれば、

何だって出来る世の中です。

当たり前の自由がある今に、ちゃんと感謝しないといけません。

 

その上で、どういう生き様を示せるか?

他人から尊敬される生き方が出来るか?

誇りと信念を貫き通せるか?

愛する者を守り抜けるか?

 

それらのことに、いつも自問自答しながら、生きていきたい。

その思いさえ忘れなければ、自ずと道は開けると思います。

 

あっ、すみません。

また、人生論の説教になってしまいました。。苦笑


 

身に覚えのない罪をきせられたうえに妻も失い、

故郷の彦根藩を追われた浪人の柳田格之進は、

娘のお絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしていた。

 

実直な格之進は、かねて嗜む囲碁にもその人柄が表れ、

嘘偽りない勝負を心がけている。

 

そんなある日、旧知の藩士からかつての冤罪事件の真相を

知らされた格之進とお絹は復讐を決意。

お絹は仇討ち決行のため、自らが犠牲になる道を選ぶが・・・。
こんなお話です。


出演は、草なぎ剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、

市村正親、立川談慶、中村優子、斎藤工、小泉今日子、國村隼等。
 


主演の草彅剛くん、本当に、本当に、素晴らしかったです!

俺、昔から思っています。

剛くんって、魂を操って、己に憑依させることが出来る俳優さんだと。

SMAPが解散して、さらに円熟味も増してきました。

日本のトップ俳優の一人と言っても過言ではないと思います。
 

共演陣も良かったです。

清原果耶さんの着物姿と髪型がとっても似合っていました。

清廉潔白な父親の娘役としては、最適なキャスティングだったと思います。
 

小泉今日子さんも、吉原の遊郭の女将さん役が、実に様になっていましたね。

彼女って、女将のような、人の上に立ち、

全体をまとめ上げるような役がぴったりです。
 

最後に、國村隼さんです。

老練巧みな演技とは、まさに彼のための言葉です。
 

面白い脚本、考えられた演出、男の生き様を見事に演じ切った主演俳優、

そして彼を囲む演技派俳優の皆さん。

 

映画を構成する全ての要素が高いレベルで調和している秀作です。

是非オススメです!


MY評価: ☆5 (☆5で満点)