またヴィンセントは襲われる

第76回カンヌ国際映画祭の批評家週間に選出されたスリラーです。

なぜか突然他人から暴行を受けるようになった男性が、

襲われる中でそこに法則性を見いだして生き抜こうとする。



面白かったです。

作品の企画、発想、構想というのか、目の付け所が実に斬新です。

 

それをそのままタイトルに付けたのも面白い。

何のひねりもない、何の味付けもない、何のコピーワークもない、

ただそのまま。

これが逆に良かったですね、俺の趣味としては。
 

それにしても、いきなり他人が自分に襲いかかってきたら、

怖いでしょうね。

 

前半の映像がリアルに起こったら、対策の打ち様がない。

しかも、相手は、本気で、暴力的に襲ってくるわけで、

簡単にかわせるものでもない。

 

やられないためには、こっちも本気で対抗するしかない。

気のちっちゃな俺には、到底無理な話です苦笑
 

企画は良かったのですが、後半がちょっとベースダウンして

しまった感は否めません。

 

ペースダウンと言うべきか、もっとはっきり言うと、

面白味が減ったというか。

 

原因が分かったからかもしれません。

原因が分かると、主人公はそれなりの対策が打てますから、

それが意外性を失わせたと言えるかもしれません。

 

もしくは、原因は分かったとしても、

もっと別の展開があっても良かった。

 

原因発覚後は、ただただ流れに乗っていっただけ、

といった感想です。
 

前半か良かっただけに悔やまれるのです。

だから、ダメではありません。

面白い映画です。


 

ある日突然、職場のインターン生から暴行を受けたヴィンセント。

怪我から回復する間もなく別の同僚にも襲われるが、

加害者たちはいずれも襲撃時の記憶を失っていた。

 

その後もヴィンセントに殺意を向けて襲いかかってくる者は後を絶たず、

ついには見ず知らずの他人からも命を狙われるようになってしまう。

 

やがて「自分と目線が合った瞬間に人々が襲いかかってくる」という

法則に気づいたヴィンセントは、生き残るための自衛を始めるが・・・。
こんなお話です。


出演は、カリム・ルクルー、ヴィマーラ・ポンス、フランソワ・シャト、

ジャン=レミ・シェーズ、ユリス・ジュヌヴレ等。


フランス映画です。

主人公のヴィンセント役を演じたカリム・ルクルーは、

何かの作品で見覚えがあるのですが、何の映画の何役か、

全く思い出せません。

 

ヒロイン役のマルゴー役を演じたヴィマーラ・ポンスも

見たような記憶はあるのですが、同じように思い出せません。

 

この手の作品は、瞬時のリアクション芸が大事です。

その意味では、お二人とも、とってもお上手でした!


MY評価: ☆4 (☆5で満点)