流転の地球 -太陽系脱出計画-

アジア人として初のヒューゴー賞を受賞した小説「三体」の原作者、

リウ・ツーシンの短編小説を原作とするSFドラマです。

 

地球と人類の存亡を懸け、1万基のロケットエンジンを使って

地球を太陽系から離脱させるプロジェクトに携わる人々を描く。



想像以上の出来に驚きました。

SF大作は、これまでハリウッドの独壇場でした。

 

だけど、これで中国が完全に肩を並べたと言っていいくらい、

完成度が高いです。

 

まずは、壮大なスケールのシナリオが素晴らしい。

やっぱり、SF作品は、脚本が大事です。

 

未知の世界をどう描くかという視点において、

発想や構想力が問われるところです。

 

本作は、「地球にエンジンを付けて、太陽系を脱出する」という

とんでもない企画が真ん中にあります。

誰しもが思い付くものではありません。
 

次に、SF作品で大事なのは、映像技術、クオリティーです。

チープになったら全てが台無しになります。

 

本作は、3時間の長尺にもかかわらず、一秒たりとも手を抜いたところはなく、

しかもディテールの表現まで、かなりこだわった作りになっています。

間違いなく、大金の費用を惜しみなく投じたに違いありません。

 

宇宙想定や水中など、さまざまな難しいシチュエーションの中を

再現しているので、製作期間も相当長かったでしょう。

 

中国の国家の威信をかけた映画との印象です。

これを見たハリウッド関係者は、いい刺激になったはずですね。

 


100年後に太陽が老化によって膨張し、

300年後には太陽系が消滅するという予測が立てられた。

 

地球連合政府は1万基のロケットエンジンを使って地球を

太陽系から離脱させる壮大なプロジェクト「移山計画」を始動。

 

各国の思惑や内紛、争いが渦巻くなか、

飛行士リウは亡き妻への思いを胸に宇宙へと旅立つ。

 

一方、量子科学研究者トゥーは禁断のデジタル技術により、

事故死した娘をよみがえらせようとする。

 

そして連合政府の中国代表ジョウは、大きな決断を迫られる・・・。
こんなお話です。


出演は、ウー・ジン、アンディ・ラウ、リー・シュエチェン、

シャー・イー、ニン・リー、ワン・チー、シュ・ヤンマンツー等。


やはり、アンディ・ラウさんが、

一際目立つ存在感を発揮していましたね。

あれは、スターの持つオーラってやつです。
 

他にも、中国ではスター級の俳優さんが

たくさん出演されていたと思います。

 

加えて、多国籍なキャストが一同に介すると、

グローバル感も増して、一流感に厚みも出たと思います。
 

中国の映画産業の底力を感じた作品でした。

エンターテイメント業界でも、今後中国の存在感は

きっと増す一方でしょうね。


MY評価: ☆5 (☆5で満点)