52ヘルツのクジラたち

町田そのこの小説を、『銀河鉄道の父』などの成島出が監督を務め

映画化したドラマです。

 

家族に虐待された過去を引きずる女性が、

かつての自分と同じような環境にいる少年と交流する。


いろんな社会問題を包含した考えさせられる映画でした。

とともに、たくさんの感動もいただきました。

ありがとうございました。
 

人間の強さ・弱さ、醜さ、儚さ、無責任さなどなど、

いろんな人間性が生々しく描いてあるというのが俺の第一印象です。

 

登場人物たちの心の中の複雑な感情が表情な仕草から滲み出ていて、

ヒリヒリしたものが俺の心にも伝播してきたような感覚でした。
 

いま、家族の在り方がさまざまです。

愛に溢れた家族が理想というのは当たり前ですが、

そうではないのもたくさんあります。
 

DVや育児放棄は、もはやレアケースとは言えなくなっていると聞きます。

そこまで行くと、もう家庭崩壊です。

 

でも、子供は生きていかなければならない。

耐えて、耐えて、耐えて。

 

そのうち、耐えることが当たり前となり、愛情を忘れ、

子供も道を外れていくのが、一番耐え難いパターンですね。
 

だから、本作を見ていて、とても悲しくなったところと、

その反面で必ず救ってくれる人がいる希望の両面を

ひしひしと実感しました。
 

やっぱり、俺は思います。

子を作るのなら、育てる責任が伴うことを、全国民が再認識して欲しい。

 

その責任を全うするのが嫌か自信が無いなら、子は作るべきではない。

少子化が進む中ではありますが、無責任な妊娠・出産は、

子が一番可哀想です。

 


心に傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に越してきた若い女性、貴瑚。

ある日彼女は、母親に虐待され、声が出せなくなった

“ムシ”と呼ばれている少年と出会う。

 

自分も家族に人生を搾取されてきた過去を持つ貴瑚は、

少年を見過ごすことができずに一緒に暮らし始める。

 

そんな貴瑚は、かつて自分の声なきSOSを聴き取り、

救い出してくれたアンさんとの日々に思いを馳せるのだったが・・・。
こんなお話です。


出演は、杉咲花、志尊淳、宮沢氷魚、小野花梨、桑名桃李、金子大地、

西野七瀬、真飛聖、池谷のぶえ、余貴美子、倍賞美津子等。
 


主演の杉咲花さんが、本当に、本当に、素晴らしかったです!

もう魂の演技でした。

元々演技はお上手でしたが、感情表現がさらにレベルアップした印象です。


MY評価: ☆5 (☆5で満点)