落下の解剖学

第76回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンスです。

夫が不審な転落死を遂げ、彼を殺害した容疑で法廷に立たされた妻の言葉が、

夫婦の秘密やうそを浮かび上がらせる。



フランス映画です。
とても見応えのあるサスペンスでした。
 

かなりの長尺なので、お尻が痛くなったことを除けば、

見どころはたくさんあるし、見ていていろんな推理が頭をよぎります。
 

人里離れた雪山の家での不審な死亡事件。

そこには、死んだ父親と、あとは母親、視覚障害のある男の子、

そして、飼い犬のみ。

 

タイトルの通り、家の3階から落ちていたところを

息子が発見したことから事件は始まります。

 

最大の見どころは、裁判です。

そこで新しい証拠や証言が出てくるたびに、裁判の行方が左右に動きます。

 

弁護士さえ知らされていなかった不都合な真実が、

ボロボロと出てくるのです。

 

でも、被告の隠したい気持ちも分かります。

雪山に隔離された場所で、目撃者もいないわけなので、

不利に働くような証言なんて、最初からしないですよね。

 

そんなこんなで、判決の予測不能な感じが場を支配します。

それで、肝心の真実については、一切、種明かしはありません。

 

妻が殺害した可能性も十分に有り得るし、

事故で転落した可能性も否定できないし、

自殺を図ったとも思えなくもない、という感じです。

 

かなりディープな法廷サスペンスでした。

サスペンス好きな方には、是非ともオススメします!

思う存分に推理してみてください!



雪深い人里離れた山荘で、視覚障がいのある11歳の少年が、

転落死した父の死体を発見する。

 

最初は事故死かと思われたが、捜査が進むにつれていくつもの謎浮かび上がり、

やがてベストセラー作家の妻サンドラが殺人の容疑で起訴される。

 

裁判が始まると、検察の容赦ない追及によって、

幸せそうに見えた家族と夫婦の秘密が次々と暴かれていくのだったが・・・。
こんなお話です。


出演は、ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、

ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツ、

サミュエル・タイス、ジェニー・ベス、サーディア・ベンタイブ、

カミーユ・ラザフォード、アン・ロトジェ、ソフィ・フィリエール等。


主人公の妻サンドラ役を演じたのは、ザンドラ・ヒュラーです。

犯人なのか、被害者の妻なのか、絶対に見破らせない、

あの絶妙な演技は、見事でした!

 

特に、回想シーンで事件前日に夫と口論になったシーンは、

まさに迫真の演技でした。

いや、演技というより、口論そのものでした!

素晴らしかったです!!
 

息子ダニエル役のミロ・マシャド・グラネールも良かったです。

この子は間違いなく将来有望な俳優になると思います。

ワザとらしさが全く無かったのには感心しました。
 

最後に、検事役を演じたのが、アントワーヌ・レナルツです。

腹立たしかったですねー!

それだけ素晴らしい演技ということですが、

冷静でいられないくらいムカつく発言と言い方でした!


MY評価: ☆5 (☆5で満点)