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ベルギー・ブリュッセルに暮らす移民労働者の青年と、

植物学者の女性が織り成す人間ドラマです。

 

故郷に帰国するか悩む青年がコケ類を研究する女性と出会い、

少しずつ心を通わせていく。

 

第73回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門最優秀作品賞などを受賞した。
 



映画サイトの紹介文を読んで、

てっきりヒューマンを描いたドラマだと思っていました。うん、

 

確かに、ヒューマンと言えばヒューマンです。

間違いではありません。
 

ただ、ヒューマンと呼ぶには、あまりにも台詞が少ない。

大筋の流れは分かるものの、圧倒的に情報量が無さすぎる、

というのが俺の印象です。
 

例えて言うなら、ほぼBGVです。
自然の環境音が静かに流れ続ける、癒しと憩いのBGVです。

極端かもしれませんが、それくらい主義主張の乏しい映画です。

 

ダメと言っているのではありません。

確かに、二人の男女が偶然知り合い、お互いに惹かれていく様は、

無くはないです。

 

でも、主人公の彼女のおばさんが、最後に言った台詞が全てを物語っています。

「半ズボンの男性がスープを持ってきたわ。で、彼の名前は何て言うの?」

 

これに対して、彼女は答えずにエンドロールに入りました。

えーーーっ!って感じですが、そういうことなのです。


ちなみに、本編の4分の3くらいは、自然や街並みの風景と環境音です。

鳥のさえずり、虫の鳴き声、木の枝葉が風に揺れる音、

雨が葉っぱに当たる音、その雫が地面に落ちる音、若干の生活音などです。

 

これだけ聞くと、子守映像のようでしょ?

そう、その通りなのです!笑

 


ベルギーの首都ブリュッセルに住む建設労働者の男性シュテファンは、

アパートを引き払って故郷ルーマニアに帰国するか悩んでいる。

 

シュテファンは姉や友人たちへの別れの贈り物として、

冷蔵庫の残り物で作ったスープを配ってまわる。

 

ある日、森を散歩していた彼は、以前レストランで出会った

中国系ベルギー人の女性シュシュと再会し、

彼女が苔類の研究者であることを知る。

 

シュテファンはシュシュに促されて足元に広がる多様で親密な世界に触れ、

2人の心はゆっくりとつながっていく・・・。
こんなお話です。

出演は、シュテファン・ゴタ、リヨ・ゴン、サーディア・ベンタイブ、

テオドール・コルバン、セドリック・ルヴエゾ等。
 


ベルギー映画です。

キャストの方々が、ベルギー人かは分かりません。

本編の言語は、多分、フランス語でしたね。


MY評価: ☆3 (☆5で満点)