市子

劇団「チーズtheater」を主宰する戸田彬弘が、旗揚げ公演でもある舞台

「川辺市子のために」を自ら映画化したものです。

プロポーズされた翌日に突如失踪した女性の壮絶な半生を描く。

 


正直に感想を言うと、惜しいなぁーという感じです。

それは褒め言葉でもあります。
 

何とも言えない重たい空気に終始、包まれています。

その全体のトンマナはしっかりと管理されていています。
 

一番惜しいと思ったところは、何度も何度も、

時間軸を変えて行ったり来たりします。

 

最新から始まり、昔に戻って、また近年に戻ったかと思えば、

またちょっと昔に戻ってみたいなことを繰り返します。

 

もちろん作り手側には、意図があってそういう演出と編集を

していると思うのですが、見ている俺からすると、

何が何やら分からなくなります。

 

その小手先の繋ぎ方に何の意味があるのか、

どうしても分かりません。

 

もう一つ、残念なところは、その編集の影響を受けてだと思いますが、

どこが山場か、よく分からない。

 

クライマックスがあるのか、ないのか。

それって、悪く言うと、一番大事なメッセージを誤魔化しているようにも思う。
 

すみません、散々、文句ばかり言いました。

でも、駄作として文句を言っているのではありません。

 

主演の杉咲花さんの演技があまりに素晴らしかったから、

それを活かすやり方があったのではないかと思っただけです。

プロでも、評論家でもないのに、生意気を言って申し訳ありません。。


川辺市子は3年間一緒に暮らしてきた恋人・長谷川義則から

プロポーズを受けるが、その翌日にこつ然と姿を消してしまう。

 

途方に暮れる長谷川の前に、市子を捜しているという刑事・後藤が現れ、

彼女について信じがたい話を告げる。

 

市子の行方を追う長谷川は、昔の友人や幼なじみ、

高校時代の同級生など彼女と関わりのあった人々から話を聞くうちに、

かつて市子が違う名前を名乗っていたことを知る。

 

やがて長谷川は部屋の中で1枚の写真を発見し、

その裏に書かれていた住所を訪れるが・・・。
こんなお話です。


出演は、杉咲花、若葉竜也、森永悠希、倉悠貴、中田青渚、

石川瑠華、大浦千佳、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり等。

主人公の市子を演じたのは、杉咲花さんです。

学生から大人まで、幅広い年代を演じられる女優さんになりました。

本作で彼女は、自分を剥き出しにして市子に成り切っていたように思います。

まさに、プロの女優の演技でした。拍手!!


MY評価: ☆3 (☆5で満点)