青いカフタンの仕立て屋

 

モロッコ・サレの旧市街で、モロッコの伝統衣装カフタンドレスの

仕立て屋を営む夫婦を描くヒューマンドラマです。

職人気質の夫、余命わずかな妻、若い職人の出会いを描く。

 

 

「カフタン」って何だろうと思って調べてみました。

 

カフタンとは、トルコやアラブなど近東諸国やイスラム文化圏で着用される、

丈の長いガウンのような服で、襟がなく、長袖と前開き、

直線裁ちの形状が特徴です。

腰部に飾り布を巻いたりするなど着用方法はさまざまで、

暑い日差しを遮りながらも風通しがよいつくりになっています。

 

実際に見てみると、確かにイスラム圏の人が着ていますね。

どこの国や地域にも、伝統衣装はあるもので、

その地域の文化や気候に適したものになっていて、いいですよね。

 

さて、本作はそんなカスタンを介した家族や職人の人間関係を

繊細に描いた作品です。

 

今どき流行らない手縫いの伝統衣装、いろんな愛のカタチ、

そして余命わずかな生命。

 

これらが絡み合って、ちょっと重たい感じもしますが、

見応えがありました。

 

そして、それらの要素を見事にまとめ上げたのがラストです。

まさかあんなエンディングが待ち構えているとは思いませんでした。

 

サプライズであり、感動もあり、嬉しかったです。

最後に、ちょっと救われた気がしました。

良かったです。

 

 

モロッコの古都サレで父から受け継いだ小さな仕立て屋を営むハリムと、

職人気質の夫を接客担当として支える妻のミナ。

 

やがてハリム1人では注文をさばききれず、

2人は若い職人ユーセフを助手として雇う。

 

真面目で筋のいいユーセフのおかげで仕事はうまく回り出すが、

ハリムとユーセフの間に師弟の関係を超えた特別な感情を感じ取るミナ。

そんな中、病気を抱え次第に体調が悪化していくミナだったが・・・。

こんなお話です。

 

 

出演は、ルブナ・アザバル、サレ・バクリ、アイユーブ・ミシウィ等

 

主要な3人のキャストが、皆さん良かったです。

中でも、妻役のルブナ・アザバルは、驚異の役作りでしたね。

余命わずかで、どんどんやつれていく様が、演技を超えて、

激痩せぶりが凄まじかったです。

プロフェッショナルな役者魂に心より敬意を表します!

 

 

MY評価: ☆4 (☆5で満点)