うまれる

 

娘の命を突然奪われた母親の悲劇を描く短編ドラマです。

いじめに遭っていた娘を助けられなかった母親が、

ある日亡くなった娘の死の真相を知る。

 

 

本編が30分あまりの短編作品です。

ただ、インパクトは超大作です。

 

逆に言うと、この作品は、2時間は見ることが出来ないと思いました。

それほど強烈で、見ている人の心にズサッと突き刺さります。

 

いじめ。

子供にとって、永遠の課題です。

 

「子供だから仕方ない」では許されない時代です。

いじめの先にあるものを突きつけられると、このままでいいわけがない。

 

昔もいじめはありました。

ガキ大将が必ずいて、奴隷みたいな扱いを受ける子も必ずいました。

 

でも、昔は問題にはならなかった。

今思うと、それも不思議ですね。

 

あまり言うとネタバレになるので、多くは語りませんが、

俺は主人公の母親の気持ちは痛いほど分かる。

俺があの立場になったら、同じことをしたかもしれない。

 

と同時に、主人公が教室で向き合った6人の母親たちへは、

ヘドが出るほどムカつきました。

 

あんな人ばっかりかと思うと、子供たちのことを憂うし、

日本の将来すら憂いてしまいます。

 

変な世の中になったものです。

なぜ、こうなったのか?

誰がこうしたのか?

巻き戻すことは出来ないのか?

そんなことばかり考えてしまいます。

 

今は、ほぼ共働きです。

つまり、家庭に躾の機会や時間が物理的に限られます。

 

もちろん、その中で立派に躾をする親もいるので、

共働きを否定するものではありません。

 

俺は思う。

家庭と地域と学校の三位一体で、子供を見守るシステム作りが急務だと。

 

昔は、近所の大人が子供たちを見てくれました。

有り難かったです。

 

そして、学校も改革して欲しい。

まずは先生の質を上げること。

 

優秀な人格者を先生にするために、給料や勤務条件を整備して、

先生を目指す子供をたくさん作ること。

なりたい職業の断トツ一位になること。

 

そして、教育現場においても、先生に権限委譲して、裁量も与え、

必要によっては鉄拳制裁だって認めてあげる。

 

これくらいの先生改革を俺が総理大臣か文部科学大臣なら実行する。

そこまでやれば、教育現場は様変わりし、

子供たちの人格的なクオリティーは格段に上がると思う。

 

あっ、すみません、

つい熱が入ってしまいました。

それくらい教育現場への危機感を持っているだけなので、お許しください。

 

 

安川良子の娘の安川裕美(小学五年生)は天然パーマなので

クラスメイトからいじめられていた。

 

床屋を経営する良子は忙しく、娘が髪の毛のことでいじめられているのを

知りながらも何もしてやれなかった。

 

そんな折、突然、娘の裕美が崖からの転落事故で亡くなってしまう。

娘がいじめられているのを知っていた良子はその事故を疑い、

いじめが原因で亡くなったと訴えるが、誰からも聞き入れられることはなかった。

 

しかし、あるきっかけから、良子は娘の死の驚愕の真相を知ってしまう・・・。

こんなお話です。

 

 

出演は、安藤瞳、保亜美、渋谷はるか、小暮智美、吉田久美、

尾身美詞、宮山知衣等。

 

キャストの皆さんが、いい意味で素人っぽくて良かったです。

演技が下手ということではありません。

逆に、素晴らしかったです。

 

素人っぽいという意味は、ドキュメンタリーに近いリアリティーを

感じたということです。

 

本作を見て、子供を持つ親はもちろん、日本国民全体で、

いじめや教育、躾について考えるキッカケになればいいなと思いました。

ありがとうございました。

 

 

MY評価: ☆5 (☆5で満点)