夜明けまでバス停で

 

『BOX 袴田事件 命とは』などの高橋伴明監督が、2020年冬に日本で起きた事件を

モチーフに撮り上げたドラマです。

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で仕事と住まいを失い、

バス停で寝泊まりせざるを得なかった女性を通じ、社会的孤立を描く。

 

 

新型コロナの騒動が始まって、2年半が経ちました。

時の流れは早いものです。

 

コロナの影響で、人々の生活は一変しました。

中には、職を失った人もたくさんいます。

そんな不可抗力とはいえ、人生を大きく狂わされた人に焦点を当てた作品です。

 

これ、本当に死活問題です。

生きたくても、働きたくても、環境が許してくれない。

 

一方で、次々と明るみになる補助金や給付金の不正受給問題。

ズル賢い知恵を使って、大金を騙し取る手口はマジで許せない。

 

窮地に陥った時に、人間性がモロに出ます。

甘えられない主人公。

自分さえ良ければいい居酒屋の御曹司のマネージャー。

葛藤しながらも、人間を失わなかった居酒屋の雇われ店長。

人それぞれの人間が、よく描かれています。

 

でも、主人公は女性であるにもかかわらず、なぜ肉親がいても頼らず、

ホームレスを選んだのか?

それほどまでに家族関係が壊れていたのか?

単なる意地を張っただけなのか?

 

俺はそれがずっと謎だった。

どんな理由があるにせよ、まだまだ現役の女性が、バス停の椅子に野宿する選択肢は、

どう考えても取らないはずです。

全ての選択肢を失った時に初めて、唯一ホームレスを選ばざるを得ないのです。

 

俺には、その理由が最後まで分からなかった。

施設に入った親には頼れなくても、兄が健在なのですから。

 

よっぽど兄が嫌いだったのでしょうね。

最後は、変な方向に流れてしまい、申し訳ございませんでした!笑

 

 

焼き鳥屋で住み込みアルバイトとして働いていた三知子だったが、

折からのパンデミックでバイトを突然クビになり、寮からも追い出されてしまう。

 

新しい仕事を見つけるどころか、パンデミックのせいでファミレスや漫画喫茶も

閉まっていて、行くあてもないまま途方に暮れてしまう三知子だったが・・・。

こんなお話です。

 

 

出演は、板谷由夏、大西礼芳、三浦貴大、松浦祐也、ルビー・モレノ、

片岡礼子、土居志央梨、あめくみちこ、幕雄仁、鈴木秀人、長尾和宏、

福地展成、小倉早貴、柄本佑、下元史朗、筒井真理子、根岸季衣、柄本明等。

 

主演の板谷由夏さんが、とっても良かったです。

これぞ、円熟味のある演技ってやつですね。

ただ、途中からホームレスなのですから、

もうちょっと薄汚い格好をした方が自然かなと思いました。

女優のプライドか、周りが気を遣ったのか、どちらでしょうかね?

 

共演者の方々が、みなさん、曲者揃いでした。

根岸季衣や柄本明なんか、もう完全にハマってましたね。

 

そんな中、大西礼芳と三浦貴大が、好対照な感じで、それぞれ良かったです。

特に、善人イメージのある三浦貴大は、サイテーのクソ野郎を見事に演じていました。

 

 

MY評価: ☆4 (☆5で満点)