キングメーカー 大統領を作った男


『茲山魚譜 チャサンオボ』などのソル・ギョングと、

『パラサイト 半地下の家族』などのイ・ソンギュンが共演した

ポリティカルサスペンスです。

 

さまざまな思惑が入り乱れる韓国大統領選挙の裏側を描き、

百想芸術大賞で最優秀男性演技賞など3冠に輝いた。

 


どんな世界でも何となく生きていけると俺は思っています。

ただ一つ、政治の世界を除いては。

それに明確な根拠はありません。

 

政治の世界は怖いイメージです。

生き馬の目を抜く、容赦ない世界です、と勝手にビビっている俺です。

 

「俺が、俺が」の世界はどうも苦手です。

それは、きっと根っからの自信が俺自身に無いからなのでしょう。

 

また、政治にも経営にも、上に立つ人の器の問題があります。

どんなに頭が良くても、上に立てる器が無いと、トップになるのは容易ではありません。

 

また、どちらの世界にも、いい参謀が求められます。

トップは、何から何まで全てを考えることは到底不可能です。

だからこそ、支えてくれる参謀が必要不可欠なのです。

 

本作は、そんな参謀に焦点を当てた作品です。

ちなみに、冒頭に、「事実に基づくフィクションです」とのテロップが出ました。

「えっ、どっち? 実話? 作り話?」と頭の中が一瞬真っ白になりましたが、

そこで引っ掛かっては楽しめないので、ひとまず気にしないことにしました。

 

話を戻しましょう。

本作の見どころは、「勝つためには手段を選ばないほど、非情になれるか?」と

個人的に思いました。

 

「汚い手を使って勝って得たものに、何の意味があるのか?」という

真っ直ぐな見方もあるでしょう。

 

一方で、「政治の世界ほど、勝たなければ意味がない」というのも一理ある。

それは、トップがどちらを選ぶかです。

 

ちなみに、俺は手段を選ばないやり口は、絶対に嫌です。

綺麗事と言われようが、偽善者と言われようが、

人から後ろ指をさされるような生き方だけはしたくない。

生きる上での信条ってやつですね。

 


高い理想を胸に軍事独裁政権の打倒を目指す野党の政治家キム・ウンボム。

しかし理想と情熱だけでは選挙に勝てず、落選を繰り返していた。

 

そんなある日、ウンボムの理想に共鳴した男ソ・チャンデが、

選挙スタッフに加わることに。

 

するとチャンデは、圧倒的な物量で勝る与党に対抗すべく奇抜な戦略と

手段を選ばない汚い手口を次々と繰り出し、ウンボムを勝利へと導いていく。

 

たちまち野党内で頭角を現し、ついに大統領候補にまで上り詰めるウンボムだったが・・・。
こんなお話です。


出演は、ソル・ギョング、イ・ソンギュン、ユ・ジェミョン、チョ・ウジン、

パク・イナン、イ・ヘヨン、キム・ソンオ、チョン・ベス、ソ・ウンス、

ペ・ジョンオク、キム・ジョンス、ユン・ギョンホ等。

キャストの皆さんの迫真の演技が見事でした。

政治の世界の表と裏を完璧に演じ分けていました。

 

この手の社会派ドラマは、出演者のチカラがとても大事です。

全員が自身の役を理解していることが伝わってきましたね。


MY評価: ☆4 (☆5で満点)