「火星に住むつもりかい?」(伊坂幸太郎、光文社文庫)は、作者おなじみの仙台市を舞台にしたディストピア作品。作中で描写される場所、風景は、仙台市民にとってはなじみ深いものばかりで、作品世界にスムーズに没入できました。
「平和警察」という警察内組織に取り締まられている仙台が舞台。住人の監視と密告による魔女狩りによって危険人物とみなされた者は公開処刑されてしまう社会に、一人立ち向かう「正義の味方」。
腐った監視社会や凄惨な拷問の描写。結構多いとおもわれる登場人物たちとそのあっけない退場。意外な展開で振り回されそうになりますが、着地点は納得でした。
タイトルも不思議でしたがあとがきで説明されていました。面白かった。