耐震等級3の家づくり #004 水平構面
最近はリレー形式でスタッフによるブログを更新しています。
僕もリレーの中に入っていますが、たまにイレギュラーに投稿します。
こちらは進行中の物件です。もちろん耐震等級3です。平屋なので耐力壁は分散してバランス良く配置しています。少し見にくいですが垂木のピッチをやや細かくしています。よくあるピッチは455ですが、今回は303ピッチ。なぜ細かくしたのか、については最後にご説明があります。
さて。
耐震等級3にすると、壁が増えて、基礎も強固になり、鉄筋も増える。っていう部分は皆さん想像できると思います。地震や風に対して強くするわけですからね。
それ以外にも、耐震等級3にする事で強くしなければいけない部分があります。水平な強さを表す、「水平構面」です。
これは、床や屋根を構成する部材の強さの事を言います。
いくら耐力壁を入れても、それらの耐力壁を繋ぐ水平構面が弱ければ、その建物の強度をバランスよく保つことは出来ません。壁の要素と同じくらい、床や屋根面の構成要素も重要なんです。
弊社ではその辺りをプランの段階から考慮してご提案しています。
・大きな吹抜が欲しい!
・勾配天井は、火打ち梁や梁を見せたくない! などなど
というご要望ももちろんあるのですが、耐震等級3を確保する事とそれらの要望とを、上手にバランスを取りながら、取り入れていかないといけません。
その辺りをないがしろにしていると、
あとで「吹抜は出来ません。。。」とか
「火打ち梁が出てしまいます。。。」とか
「キャットウォーク(床面)が必要です。。。」
と言った変更が必要になってしまい、結果としてお客様にご迷惑をお掛けする事になります。構造を理解した上で、吹抜や勾配天井などをご提案しないといけませんよね。
「耐震等級3にすると吹抜とか出来ないのかー。。」と諦める事はありません。
小技もあります。
吹抜周辺の床倍率(床を構成する釘のピッチを変えたりする)を高めたり、屋根の垂木ピッチ、釘の種類などを変える事で屋根水平構面倍率が高まります。これを詳細設計と社内では呼んでいます。
⇒告示によらない倍率を採用して、強度を高める!という方法です。
こんな小技を活かすことで、吹抜や勾配屋根をデザインしても、問題なくクリアする場合もあります。
イワタ。