しばたはつみさん…なみだ雨とともに
東京・田園調布の「さくら坂」はまさにその名の通り満開の見頃を迎えていました。
お別れの日、歴史ある真言宗密蔵院にて、数々のヒット曲を出しNHK紅白歌合戦にも出場したボーカリスト、しばたはつみさんの葬儀がしめやかに営まれました。
お好きでいらしたピンクのバラや色とりどりのお花に包まれ、ご遺影にも淡いピンクの桜が。
笑顔がキュートなはつみさんはファンのみならず、多くの方に愛されました。
大阪に訪れた際には必ず顔を出したという串あげ屋さんのマスターからは惜別のお手紙とはつみさんの大好物の串あげが届きました。意外なお届けものにご家族が感動されたことはいうまでもありません。
また、懇意にされていた雅楽士であり作曲家の東儀秀樹さんによる献奏のおごそかな音色が式場を包みました。
長年、ボーカリストと音響オペレーターとしてお互いを高めあってこられたご主人、正吾さんはご挨拶の中でこのようにおっしゃいました。
「これまで好きだった桜の季節。来年からはこの季節になるとはつみを思い出し、寂しくなります……」。
お心のうちを静かに吐露された姿は多くの方の涙を誘いました。
この日、なみだ雨は止むことはありませんでした。