ある舞台監督の別れ | グランディメモリー社長 木野島ブログ

ある舞台監督の別れ

冷たい雨が降る中、渋谷のとある式場で著名な舞台監督のお葬式が営まれました。
その方の名は青木義博さん。
舞台監督は裏の主役ともいわれ、照明、音響はじめ舞台の空間を作り上げる技術スタッフの統括を担う仕事。

青木さんはスタッフワークだけでなく、演技者の相談にも乗って下さる、カンパニーの成員皆さんに慕われるお人柄だったそうです。

そんな彼を偲び、東京乾電池の柄本明さん、ベンガルさん、宮藤官九郎さん、阿部サダヲさんなど数多の演劇人が涙のお別れをしました。ご霊棺を前に大人たちが泣きじゃくる姿は純粋に美しい光景でもありました。

生前、死期を察してか書類やお写真を整理されていたといいます。
ご遺影はその中の一枚。
仲間たちと酒を酌み交わしタバコをくゆらせる、その一コマからは何ともいえない優しさが伝わってきます。

通夜が始まる前は通常、ご霊棺はご自宅から、もしくは葬儀ホールにご安置され式場に入られますが、ご家族、有志らの希望で、ご霊棺を乗せたお車は、ゆかりの劇場…上野文化会館、新橋演舞場、草月ホール、渋谷文化村シアターコクーン、本多劇場などを巡り式場に。

天国からお葬式をご覧になっていたとしたら…。
どのようにご指導いただけたのだろう…。
青木義博舞台監督が憩われるお葬式という舞台は数え切れないほどのたくさんの涙で幕が下ろされました。