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Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ

スーツの解釈は様々です。

このブログではオーダー(カスタムメイド)スーツの話題を中心に私なりの見解を述べていきたいと思っています。


今回の写真が実物に近い色味です。


ラペル部分に注目してください。前回同様、極力尖らせるようオーダーしました。前回よりも鋭さが増した気がします。

生地にウインドウペーン(窓枠の意味)的に入っているピンクのラインに合わせて裏地をピンクにしています。(旭化成AK1700 キュプラ100%)

生地がダークカラーですし、秋冬物として扱われていましたのでボルドーの裏地にされる方が多かったようですが、

思い切ってピンクにしました。結果としてコントラストが美しく正解でした。




各ポケットや閂の色を裏地と同系色指定したのが、きっちり仕上がりました。今回もチケットポケットに松葉閂、メインの内ポケットに雲蓋、汗止め、各部Dカン(D型閂)は付けてもらいました。

雲蓋が今回は大型のものになり、存在感アップです。




袖ボタンです。いつも通り水牛ボタンです。

ウェールズ風にチェック柄&5つボタンにしてみました。

本当はイギリス製のグレンチェック柄の生地と重ねない5つボタンが正しいのですが、オリジナルアレンジで。

切羽のステッチは前回同様ですが、ボタンが多い分袖の開く長さが当然長くなりました。


今回もベストの内側の裏地は上着同色のピンク、背面は生地に合わせて黒としています。

実例紹介第3弾です。

ロロピアーナ エレガンザを仕立てたお店での2着目です。

 

増税前の駆け込み需要で2か月かかりました。注文が年末、出来上がりが翌年2月でしたが

 

私自身が年末年始で一段と増量したため、ベストのサイズが合っていません。ご了承ください。

 

生地はイタリア トレーニョのタータンチェックで、写真では色がうまく表現できていませんが、チャコールグレーにピンクの糸の入った色味です。チェック柄が目立たず、でも確実に柄はあるという何とも味のある生地です。

 

原毛の質が高いのか、シルクを含まないウール100%でも非常に上品な光沢が出ています。

2013年度に人気が出た生地だったので同店でも結構売れて最後の1着みたいな感じでした。

 

上着では裾回り(蹴回し)を1cm出し、パンツは膝を5mm詰めて裾を5mm出すことによりブーツカットに近づけました。少しの違いですが、雰囲気は変わります。

 

 

 

生地の値段が違っても同じイタリアで柔らかい生地ですので着心地はロロピアーナに近いです。

 

 

ウエイトが260g/mなのでオールシーズンの生地ですが、秋冬物扱いで3ピースに。

 


 

いつものことですが、このサイズの見本から出来上がりを想像するのはとても難しいです。

 

今後もお店の方のアドバイスを聞きながら、チャレンジを繰り返し経験値を上げていきたいですね。

 

詳細はまた後日。

 

 


チェンジポケットです。こちらの工場ではフラップ(ポケットの蓋)が縦に細いので2つのポケットの距離が離れているように見えます。私は腰ポケットの近くにチェンジポケットがあるのが好みなので、次回は近づけてもらおうと思います。


ポケットのハッキング高低差は6cmで指定しましたが、実寸では7cmくらい付いていました。結果的に良かったです。





裏です。裏地は旭化成のAK3980というキュプラ60%、ポリエステル40%のものです。見本では水色にしか見えませんが、実際は縦糸と横糸が異なる玉虫色です。結果論ですがとても気に入りました。

以前、高価なキュプラ裏地が良い、と書いたにもかかわらず、なぜ今回ポリ混にしたのか?ポリエステルの利点は発色と耐久性です。このスーツにはそれも求めたからでした。秋冬物ですので蒸れはあまり気にしなくても良いだろうというのも理由の一つです。


チケットポケットの松葉閂はとても鋭く、D閂を含めて裏地同系色を指定したのがばっちりハマりました。

内ポケットの雲蓋は大小選べるのですが、大きすぎても邪魔になりそうで小(標準)を選択。

内ポケットにまで表地を使用する台場仕様はオプション4000円(税別)です。


後で分かったのですが、裏のD閂と内ポケットの蓋を止めるボタンを水牛にするのは標準仕様ではなく

オプション扱いだそうです。(私は15000円(税別)アップの1ランク上の縫製なので追金は無でした)





袖ボタンです。通常は15mmのボタンですが、こちらはイタリアンな14mmボタンです。

1mm違うだけで見た目は大分小ぶりに感じます。RD-8という型番のダークブラウン(DB)にしました。

大人しい見た目なので、結果的にミディアムブラウン(MB)でも良かったかもしれません。

フロント部分のAMFステッチはオプション(3500円税別)です。フロントとはラペルとポケット部分を指すのですが、

切羽のステッチも追金無で施してもらいました。




パンツです。股上は短く、膝を絞り裾を広げるブーツカット風にしてもらいました。

ブーツカットは長さの決定が難しく、2回程調整してもらい納得いく長さになりました。

裾は前を5mm短く後ろを5mm長くするシングルのモーニングカットです。


ベルトのずれを防止するピンループ、座った時にベルトの位置変化に対応するループが標準装備されています。


実例紹介第2弾です。

今回は前回とは違う店で、仮縫い付きのフルオーダーです。

どのような仕様にしたいかなど、希望をあらかじめ伝えていた方が良いです。

それによって提携している工場のランクを決めるそうです。

工場を変更することはできますが、仮縫いからやり直しになるので面倒です。

 

さて、注文後1週間ほどで仮縫いが出来上がりますので、店に出向き着てみます。

 

もちろん気に入ったワイシャツとネクタイ着用、仕事用の靴で。

 

既製服のように、大体これくらいかな、と思わずに徹底的に着心地やサイズ感を見ます。

 

分からないことはどんどん聞いて納得いくまでお店の方と話しましょう。

その後3週間ほどで完成です。

 

シルエットは、極力タイトなもの、という希望で仕立ててもらいました。

 

袖の筒幅を細くすっきりとさせるのがこのお店のオリジナル。

更に、好みで蹴回し(上着の裾回り)を3cm出してもらっています。

 

生地はイタリアのカノニコのSuper110'Sで、このブランドの生地はとにかくコストパフォーマンスが高いです。

 

前回のロロピアーナの2/3程度の価格ですが上品な艶が出ています。

濃紺に14mm間隔のグレーのペンシルストライプですので

派手な感じはありません。

秋冬物ですので3ピースで。

 

詳細はまた後日。

 




上着の裏です。実はここにたくさんのこだわりが詰まっています。



裏地


ライニングとも呼びます。安価に作ろうとするとポリエステル製になりますが、高価なキュプラを使います。キュプラは天然素材ですので、通気性が程よく滑りも手触りも良いです。さらに発色も上品。このスーツは表の生地に青紫のストライプが入っていたのでそれに合わせた色にしています。

旭化成AK1700(綾織のキュプラ100%)です。



台場仕立て


内ポケットの周りを表の生地が包み込むようになっています。通常よりも表の生地を贅沢に使用しており、内ポケットの補強や裏地張替え時の作業を楽にすることが本来の目的だったようです。今では裏地の耐久性が上がって裏地を張り替えることも僅少なので、デザイン的な要素が強そうです。少なくとも私は見た目です。



内ポケット雲蓋


内ポケットの蓋を雲形にしています。私は見た目でそうしています。



汗止め


袖の裏地のすぐ下に付けてあります。分かりにくいですが逆三角形になっているのがそれです。裏地を重ねることで表の生地にまで汗が染み出るのを防いでいます。



チケットポケット


内ポケットの上に⇔のようなポケットがあるのがそうです。ここにポケットがあると切符やカードを入れるのに大変便利です。ポケットの両端の閂(かんぬき)は松葉閂にしてデザイン性にも配慮しています。




ちなみに、ロロピアーナの生地には既製服用とオーダー用があり、

既製服用にはブラウンラベル、オーダー用はグリーンラベルが付きます。





ショルダー(肩)です。


袖だけが盛り上がっているのでビルドアップショルダー、とか、ロープが入っているように見えるのでロープドショルダーとか言われるイギリスっぽい肩の種類です。かっちしりした感が出るので好き嫌いが分かれます。


私はスーツ自体がフォーマルな装いだと思って着ていますので、肩先が下がっているドロップショルダーやどちらでもないナチュラルショルダーはあまり好きではありません。


繰り返しますが、好みで選んでいい部分です。




これは上着の襟の部分です。厳密には境界線より上がカラー(襟)で、下がラペルです。


写真のようにラペルの先が尖っているものを、ピークドラペル、そうでないものをノッチドラペルと呼びます。一般的にダブルブレストのスーツにはピークドラペル、シングルにはノッチドラペルとされていますが、本来はそんな決まりはありません。ちなみにフォーマルなスーツはシングルでもピークドラペルです。


ピークドラペルは私の単なる好みですが、折角のシャープなラペルですから、特注で通常よりも尖らせてもらっています。


ビジネスでピークドラペルは使いにくい、と聞くことがありますが本当でしょうか?私はそうは思いませんが。



右の腰ポケットの上に小さなポケットを追加されています。チェンジポケットと呼び、その名の通り本来はお釣りを入れるものだったようです。現在はデザイン的なアクセントですね。ただ、あると便利なこともあります。


腰ポケットが斜めになっています。スラントポケット、またはハッキングポケットと呼び、本来乗馬の時に前傾姿勢となってもポケットの中身が落ちないようにするための工夫だったそうです。これも現在はデザイン的なものですね。私は高低差を6cmに指定して通常よりは斜めに見えるようにしています。


お好みでどうぞ。



スーツをオーダーするなら、折角なので既製服では省略されている部分を復活させてはいかがでしょうか。


本切羽


上の写真は上着の袖部分で切羽と呼びます。袖ボタンが付いているのですから、開閉できて当たり前です。しかし、多くの既製服は袖のボタンは付いていても実際には機能しません(開きません)。それに伴い、ボタンホールは飾りになるので、簡素な見た目になってしまいます。本当に開閉する切羽を飾りの切羽と区別するため、本切羽、と呼ばれています。

(※本切羽仕様の既製服も存在しますが、袖の長さが合わなかったとき妥協しなければならないのが難点です。)


本切羽は通常は開けませんが、袖をまくりたいときには便利です。

一番下のボタンは常に開けておいて、という人もいますが私はそんなはずしはオフの時だけで良いと思っています。



水牛ボタン


また、ボタンの材質も安価に作ろうとすると樹脂(プラスチック)が用いられます。ここを貝やナット(ヤシの実)、水牛の角のような天然素材にすると一気に高級感が出ます。スーツにとってボタンは唯一の突起物ですから結構目立つ部分なのです。水牛調やナット調と呼ばれる樹脂のボタンも存在しますが、本当の天然素材は一つ一つ表情が違うので並べるとその差は歴然です。

(※水牛ボタンが付いた既製服もありますが、無難な色目が多いですね。)


私は個人的に水牛ボタンが好きです。何となく落ち着いていながら高級感があるように思うからです。




その他


ボタンを重ねるのはイタリアでは良くあることだそうです。イギリスでは基本的に重ねません。私は見た目で重ねを選んでいます。


また、ボタンの数はイギリスでは出身を表すそうです。イングランドなら4つ、スコットランドなら3つ、ウェールズなら5つが正しいとのこと。、私は4つを基本として、チャールズ皇太子が好むグレンチェックの生地の場合は5つを選んでいます。


その他、切羽の縁にAMFステッチをいれるのも私の好みです。


実例をアップしました。

採寸時よりも少し太ったので残念なしわが出てしまっており、元の体型に戻すべく努力中。)

 

限りなくフルオーダーに近いオーダーのお店による製作です。私の好みで、基本サイズから蹴回し(上着の裾回り)を4cm出して、Aラインを強調しました。

 

まあ、このお店の採寸はすごい。実際の計測箇所も多いですが、その後の工場への指示がmm単位。細かく指定するフルオーダーのお店でも5mm単位までですから驚きです。仮縫いさえ入れればフルオーダーと言って良いですが、この店なら仮縫いは不要でしょう。それくらい緻密な採寸をしてくれます。

 

 

さて、今回はイタリアのロロピアーナ社で最も光沢があるエレガンザという生地で仕立てました。目付は260gですので、フォーシーズン生地と言えます。ただでさえ光沢感で定評のあるロロピアーナの生地にシルクを20%ブレンド。ポリエステルのシャイニースーツとは全く異なる上品な光沢と柔らかな肌触りが圧巻です。

 

濃紺青紫のピンストライプ。ストライプの間隔は約1cmで、ストライプ初心者にも勧められます。

 

シルエット的にはタイトになりすぎない程度に絞ってもらい、秋冬物なので3ピースで。

 

3ピーススーツは本来のスーツの形。「ベストなしはスーツとは呼ばない、あれはジャケパンだ」、とおっしゃる方もいるくらい。春夏は辛いでしょうが、秋冬はぜひ3ピースにしていただきたいものです。当然ベストを付けることでトータルプライスは上がりますが、後から付けられないものですし、うまく着こなせばスーツの格が上がります。

 

細かい仕様はまた次回に。