Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ -17ページ目

Genuine Savile Row(本物の背広)のブログ

スーツの解釈は様々です。

このブログではオーダー(カスタムメイド)スーツの話題を中心に私なりの見解を述べていきたいと思っています。



私の中での話ですが、ポールスチュアートのネクタイと言えば、


①発色がとても綺麗でネクタイコーナーでひときわ目を引く

②ただし、うまくコーディネートしないと派手になりそう


そんなイメージでした。


でもこれくらいならポールスチュアートらしい発色がありながらも

落ち着きは保てそう、と思って買ったのが左です。



またこれも私の中での話ですが、最近のカルバンクラインと言うと

はっきりと明暗を主張するよりも、中間色だけで勝負する、

キラキラした色調よりも、艶消し、といった印象です。

丁度そのイメージに合うネクタイだと思ったのが右です。


いずれのネクタイも、

「これ、●●のネクタイだよね」

と言われるほどの明らかなものではなく、

「これどこのネクタイ?」「あ、そのブランドっぽいね」と言われる程度の主張かな、と。


ネクタイの本数が増えてきて、定番はすでに押さえている。

ブランドが誰にでも分かるネクタイも持っている。

そんな方にお勧めしたいネクタイの選び方でした。

最初のブログで、2軒のお店でスーツを仕立ててもらっていると書きました。


スーツをオーダーする多くの方が、気に入った1軒のお店に通い続けるのに対して、どうして2軒なのか、をお話しします。


客観的に言えば、自分の理想のスーツに近づけるため、と、生地の選択肢を増やすため、です。


オーダー(カスタムメイド)スーツは、自分のブランドスーツということもできます。


事例紹介をご覧いただければ、毎回サイズや仕様を少しずつ変えて仕立ててもらっていることがお分かりになると思います。

裏地の色や袖ボタンの数などはその時の好みですが、サイズ感はより良いと思えるようにトライしているのです。

一つ目のお店では着心地重視から見た目も良くする方向へ、もう一方のお店では見た目重視から着心地も良くする方向へ、と。


それを繰り返すうちに、両店のスーツはかなりの精度でサイズ感が近づいてきて

合わせて10着以上仕立ててもらった現在では、いずれもほぼ理想のスーツになったと思います。


ただ、型紙や縫製が違うので全く同じものが出来上がるわけではありません。

それぞれのお店のオリジナリティは残っています。


そして、取り扱う生地はメジャーなものはどちらにもありますが、レアな生地の場合はどちらかにしかない、ということもあります。




では、なぜこの2軒なのか?

ここからはとても主観的な理由になりますが、ご了承ください。



私は店主と話すときは、お客としてよりも一人の人と接するように心がけています。

それは、いずれの店主も一人の人として尊敬出来る人だ、と思うからです。


最初、仕立ててもらうお店を決めようとしたとき、

2軒とも店主が大変好印象だったため、いずれのお店でも仕立てたい、と思ったのです。

そして交互に仕立ててもらううちに、前述の理由が出てきて両店とのお付き合いが続いています。







ブルー系のチェック柄を持っていないことに気付き、ボーナスを機に2本購入しましたら

こんな感じに。





余程意識して見ないと似たようなものを選んでしまいます。

今回は大分生地感が違うのですが色柄は近いですね。

もう1本候補にしていたものもほとんど同じような感じです。



今回の選択基準は、


『立体感のあるチェックで年中使える濃すぎない色味

かつターコイズやパープルのような基本的ブルーとは系統の違う色の入っていないもの』


でしたから、当然の結果でしょうか。





アフリカのコンゴ共和国にサプールと言われる人たちがいます。

サプールとは、オシャレで優雅な紳士たち、という意味です。


コンゴ共和国の平均月収は2万5千円。

貧しいながらも一生懸命働いて給料の半分以上を服に費やし、そして着こなす、

サプールとはそんな人たちです。


サプールになるには服を手に入れるだけではなく、品格とファッションセンスを磨く必要があります。

そのために、サプールになりたい人は先輩サプールの教えを乞い

認められた者だけが、サプールの集会にデビューできるのです。


派手なファッションですが、それなりにルールがあり、みんな暴力反対の平和人。

とても粋だな、と思わされる。日本のスーツにもこんな流れがあってもいいのではないかとさえ思います。


ポールスミスにも影響を与えた、『サプール』、是非検索してみてください。








行きつけのお店でヘンリープールのハンガーを見つけました。


ヘンリープールはイギリスのテーラーが軒を連ねるSavile Rowで最も古いお店で

イギリスの皇室はもちろん、世界中の王室・皇室(日本では昭和天皇など)顧客に持っていたようなお店です。

そんなお店のハンガーがなぜあるのか、と尋ねたら、昔からテーラーをされている方ももらったのだとか。


いいですねえ、という話になった帰り際、一本要りますか?と。


ヘンリープールを知っている人とは時々話題になるらしいこのハンガー。

誰にも譲ったことがないというものを戴きました。


お得意様になったということか、分かる人間だと思われるようになったのか

いずれにしても嬉しいことです。

オシャレだな、と感じる人を良く見てください。


必ずしも高価なものを身に着けているとは限らないと思いませんか?




逆に高価なものを身に着けていてもスラックスのプレスラインが消えていたり


ワイシャツにアイロンがあたっていなかったりすると残念な気がしませんか?





人は往々にして良くない部分に目がいくものです。




ですから、オシャレな人だと思われたいならバランスや着方を重視してみましょう。


茶色のベルトには茶色の靴、できれば時計のバンドも茶色を組み合わせる。


スーツを新調したならワイシャツはロープライスでもいいからプレスされた着古していないものを。





そうすれば、高価なものを身に着けていなくても周りの人には好印象を与えられる


と私は信じています。



後輩から、

「オーダースーツを買いたいんです。いくらくらい用意したらいいですか?」


「何を求めるかで変わってくるけど、なんでオーダースーツにしたい?」


後輩

「既製服は自分のサイズに合うのがなかなかないんです。オーダースーツって色々と自分好みにできて男のロマンって感じがするのも理由です。」


「そうか、サイズ合わせと仕様変更が理由なら有名チェーンの???はどう?4~5万円くらいでいけるかも。」


後輩

「先輩はどこで買ってるんですか?」


「個人のお店。あれこれ要望があってチェーン店のイージーオーダーやパターンオーダーでは対応できないみたいだから。」


後輩

「そうですか、僕は初心者だしまずは近隣のチェーン店に行ってみます。」



実際に後輩がお店を訪ねた後、また問答をしてみたいと思っています。



さて、相手のことも考えずに、自分の行きつけが一番いい、と押し付ける人もいます。

逆に自分の行きつけを教えたがらない人もいます。

でもこれではオーダースーツ(カスタムメイドスーツ)は普及しないのではないでしょうか。


自動車を単なる移動手段だと思っている人にフェラーリの価値は分からないかもしれません。


スーツも同じ。

本人が何を求めているのか?それによって2万円台のオーダースーツを勧めることもあるでしょうし

本人のニーズや性格によっては、私の行きつけを紹介することもあると思います。

それを超えるクオリティのお店は、、、私が経験無いので勧められません。


決して十分とは言えませんが、私が失敗や成功したことによって得た知識の範囲ならアドバイスは

惜しみなくできると思います。





これまでオーダースーツのサイジングと仕様について触れてきました。

しかし、本当に良いカスタムメイドスーツはその他の見えない部分も手抜きがありません。


例えば表地と裏地の間の芯。ここが安価なものだと接着芯です。

接着芯は、接着剤が劣化すると表面が波打つようになり、着るたびにアイロンかけが要るほどになります。


一方、馬の毛を使う本バス芯だと、高価ですが耐久性とハリがあります。

新品のうちは差が分かりにくいですが、数年経つと違いが出てきます。

生地に負担をかけないサイジングであれば10年は軽く持ちます。


裏地がキュプラでしたら、体に触れる部分がボロボロになるかもしれませんが

表から見ると全く劣化を感じないはずです。


気に入ったスーツであれば長く着たいと思うもの。

イニシャルコストは投資だと思えば決して高くはないと思います。



もちろん私の利用しているお店はいずれも本バス毛芯を使用しています。





近年の日本のスーツの流行は以下のような感じではないでしょうか。


・黒ベースの生地で無地か目立たないストライプ

・少しナローなラペル

・着丈が少し短めのジャケット

・ジャケットの前は2つボタン

・テーパードのノープリーツスラックス


タイトなサイズが多くて人によっては困る流行ですが、それ以外はいたってシンプルです。


少し前は、チェンジポケットや、本台場、本切羽、ボタンホール色変えなど

カスタムメイドスーツによく見られるディテールをこれでもか、と

詰め込んだスーツが目立ったのですが、最近は見なくなってきました。

また、本来のスーツの形である3ピースが普及してきているようです。


こだわりのない人が本来的なスーツを選び

こだわりのある人が基本を理解した上で個性的なスーツを着る。

とてもいい傾向だと思います。


値段と色で選んだら、シングルのピークドラペルでチェンジポケット付だった、なんて言われたら

カスタムメイドスーツファンの自己満足度は半減してしまいますし。


現代では何か調べたいことがあればすぐにスマホかパソコンで検索できます。
かく言う私もそうです。

最近ふと、スマホもパソコンもなかった時代、どうやって調べ物をしていたか思い出してみました。
本や雑誌を買って、お店に行って、見る、触れる、聞く、そんなことを繰り返していたはずです。
その頃は信頼できる筆者、店員さんをじっくり時間をかけて判断し、最終的には自分の価値観に照らし合わせて必要な情報を得たものです。

しかし、今はWEBの情報が多過ぎます。
どれが信じられる情報か?どれが自分にとって役に立つ情報か?とても分かりにくい。
口コミ、を信じている人もいるでしょう。しかし、自分と同じ価値観の人でない人の情報は絶対ではない。
結局は客観的な情報、スペックを重視する傾向が強くなった気がします。

スーツ生地で言えば、Super表示。
Super100'sならSuper表示のないものよりも高級品。120や130という風に数字が上がれば上がるほど良い。
そのように記載されているサイトをよく見かけます。
しかし、何がどう良いのか?知らない人もいますし、誤解している人もいます。

光沢や柔らかさのランクでしょ?ある意味当たっています。
ただ、似通った生地の比較ではSuper表示が上がれば上がるほど光沢感は上がりますが、原毛が細いので湿度に敏感になり皺になりやすくなります。
着るシチュエーションや立場を選ぶということですね。
また、光沢や柔らかさが品質の絶対基準ではありません。
柔らかい分弱い生地もあります。
昨今はイタリアの南部的なスーツや生地が流行っているので、
光沢があって柔らかいスーツ=高級なスーツ になっているだけです。
これが万人に向くとは思いません。

そこで、ハードな着方をするけれども、どうしても光沢の強い生地がいい、という方は
Super表示の高過ぎないSuper100'S程度の中から光沢のある生地を選ばれたら良いと思います。
値は張りますが、安価なSuper130'Sよりも光沢のあるSuper100'Sはたくさんあります。
スペック重視の方にSuper130'Sの倍の値段のSuper100'Sは抵抗があるかも知れませんが。


私は、光沢の強い生地が好きですがSuper表示は参考程度にして、
自分で生地を見て、触って、信頼できる店員さんの意見も参考にしてスーツを仕立ててもらっています。
中には自分の立場や年齢、着るシチュエーションを考えたら合っていなかったな、と思う生地のスーツもありました。

見栄を張らずどのように着るのかに合わせて、また、実物に触れながら生地選びをすれば
長い目で見て満足できるスーツが着れると思います。
さらに副産物として、正しいサイジングで自分に合った生地のスーツを着ていたら
周りの人たちも、いいスーツを着ているな、と思うのではないでしょうか。