不思議な光を受けながら書き下ろしている、親と子、誕生についてのお話です。良い側面、悪い側面、全てを包み込みながら書きました。
全ての人に、嬉しさと癒しを自分の中から開いていただけたらいいなと思っています。
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ゴゴゴゴゴゴ!!
突然大きい揺れが始まった。尋常じゃない揺れだ。縦、横、そして定期的に続く。。。
”始まる。”
直観的にわたしは感じた。
大きい波が私を強烈に揉みしだいた。包んで、離されて、包んで、離される。自分の鼓動がどんどん強くなるのがわかる。ドラムのように胸をたたく。
どんどん波は強くなる。
いよいよ体が抵抗できないほどの激流が始まり、何度も流されて体が回転した。小さかった震えが徐々に強くなり体中を包む。体を一つの位置に置いておくことができない。
波が自分を動かし続ける。つまずかされ、横にされ、飛び上がった。
お母さん!
どれだけそんな状態が続いたのだろうか。
怖い!わたしは無我夢中で叫んだ。
漆黒の闇の中、遠くに少しの光をうっすら感じつつ、その激流は続いた。
お母さん、お母さん!
。。。。。
突然の世界の変転。
シャワーのように強い勢いの水が私をたたいた。
強く、まぶしい光が降り注いだ。
光 光 ひかり。。。
初めて聞く、音、音、おと。。。
沢山の光と赤い色の中で、私は、この世を、確かに感じた。音を聞いて、感触を感じて、匂いを嗅いだ。
わたしはうまれたのだ!!
そう、わたしは、今、うまれた。
白い靄の中でぼんやりだけど、私があちらの世界からみつめていた母の顔が見えた。
父も見えた。
ああ!お父さん、お母さん!!
わたしは、誇らしく、幸せだった。ときめきで胸がはちきれそうだ。
全てが愛おしさでいっぱいだ。
ずっと、ずっと会いたかった!
愛したかった。
沢山の笑顔がわたしに向かっている。
とうとうこの世界に来た!
とうとうこの世界に来た!
わたしは、感動の勢いを表現すべく雄たけびのように泣き続けていた。
自分のこの世でやる事はわかっている。でも、もう少ししたら忘れてしまうかもしれない。
覚えていなくては!
自分を表現して世界を救うんだ。
。。あれ?そんなことだったっけ??
。。色々起こりすぎてもうぼんやりしている。
とにかく、どうしようもない気持ちが湧き上がる。なんだか自分の体が窮屈に感じる!!本当に自分の体なの?? 好きに動かせないし、なんだか歯がゆい。
ぬるっとしてる。何か自分の体からでたみたい!すべてが新しい感覚に感じる。
とにかく今までお母さんのおなかにいたのに、外にでてきたらすごく怖いみたい。なんだか体の1部をもぎとられたような不安もある。
安心させて、お母さん!またお腹の中に戻してよ!
ううん、でもこっちの方がいい。沢山の刺激や驚きがある!
。。。でもでも、やっぱりお腹の中の方が暖かくて、幸せな気持ちでいっぱいだった気もする。
どっちが良かったかな??
わからない。でも友達によっては、暖かいお母さんと一つになった状態が良すぎて、外に出る前にそのまま元の世界に戻る友達もいるみたい。
だってそれほどおかあさんのお腹の中は気持ちが良かったもの。独りじゃない、一緒にいる暖かさ。鼓動を合わせて、歌を歌うの。世界は私と一つだった。私は世界だったの。
だけど、今は違う。今は一人。寂しいし、怖いし、不安がある。すべてが初めて見るもの。
でも、沢山の新しい感覚の中で、面白い。ドキドキする。沢山の音と、沢山の色。沢山のこころ、光、感触。
でも、目をつぶると真っ暗ですごく怖いの。目をつぶりたくないの。目をつぶると、世界が終ったみたいに暗くなって、何もかも終わってしまったような。。そんな気持ちになるの。
助けて、おかあさん。
怖い、おかあさん。
そうしたら、ふわっと持ち上げられて、おかあさんの胸に顔をくっつけてもらったみたい。
良い匂いがする。お腹にいた時みたいな安心感。
足りないものが何もない。お腹の中にいた時に近い感覚なの。
世界が一つであった時のよう。世界は私で、私は世界だった。すべてがつながっていた、あの感覚に近いみたい。
ありがとう、ありがとう。。。うれしいな、うれしいな。。
スピリチュアル絵本2に続く