想定内のこと | 雲の呟き

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昭和2年生まれの父達のような世代にとって「死」というのは私のような世代よりもきっとずっと身近なものに違いない。

多感な青春時代に人が焼かれるところや肉片があちこちあった修羅場をくぐった戦争体験はトラウマではあるけど生も死も境が紙一重以下だったはずだ。

そんな父に育てられた私も父にとって死が忌み嫌うものではないことを承知している。

昨夕父にこのまま口から栄養や水分がとれないと衰弱して死に至る可能性が強いこと、脱水が続くと血の流れも悪くなり脳梗塞などから突然死もありえることを伝えた。

誰か会いたい人などいないか?と聞いてみた。

すると会いたい人などみんな先に逝ってしまって誰もいないという。意識はまだはっきりしている。

母とも葬式について相談してみた。ごくごく内輪の家族葬でというのは一致しているが誰を呼ぶかは意見が分かれた。

一番は母の主張を認めてあげたいのでリストするよう頼んだ。

しばらくして死んだ後などの葬儀に価値があるとも思えず、そんなくらいなら今まだ話のできるうちに呼んでお別れを言う方がどれほど父にも送る側にも価値があるのではと思い父にも母にも話してみた。

それもいいかと思ってくれたようで母が連絡することになった。

医師とも昨日想定出来ることを相談してみた。

自宅で最期を看取る時にはかかりつけ医の死亡診断書がいる。

死亡診断書が無いと葬儀社などは仕事が始められない。引き取ることもできずに自宅で数日通夜が続くことになる。

普段の担当医は原則往診しない。休みもある。医者も生活があるから無理も言えまい。

万一週末や正月休みにぶつかると救急を呼ぶことになる。救急隊が到着した時点で死亡が確認されると救急は引き取らない。

あくまで直接治療の経緯を知るかかりつけ医が「自然死」だと認定しないと判断次第で警察を呼んで検死を始める可能性もある。

一方息がまだあれば救急病院に搬送して蘇生をすることになる。

これでは落ち着いて自宅で看取ることはできない。

担当医はとりあえず営業しているなら診断書のためだけの往診は約束してくれたが、休みで連絡が取れないときは救急の判断に任せることにした。

とはいえ医師の話だと点滴だけでも90越えで2カ月生きた人がいるとか伺った。

結核の時にも覚悟はしていた。病気なら治療に積極的になれる。

苦しまないで逝ける自然死なら最善かもしれない。