私のホールにはステージの左右に180インチ前後のプロジェクター映像を出す設備があって演出、活用しています。
最近あるプロアマ混成バンドが次の自分たちのライブでは映像を流さないで欲しいと言われました。
先日下見も兼ねて他のライブを観覧された際に、どうもご自身も目の前のバンドより映像ばかりご覧になっていたというのが理由のようです。
元々どうしてうちがスクリーンにライブカムを入れるようになったかというと、バンドの人数が多くなると舞台が狭くなり自ずと動きの少ない、誤解を承知で表現するならいわゆる「退屈な絵柄」が続くことになるのが一点。
もう一つは奧に隠れてしまいやすいドラマーやベーシストに表に出てきてみんなにみてもらうこと。
あと一つは客席のお客様がどちらに座られても同じようなライブの映像体験を共有していただけるという3つの動機が出発点でした。
今でこそ曲調に印象的な効果を与えられないかとCGや動画、静止画をミックスする試みを場合によってやらせていただいてきました。
カメラは舞台上に仕込んであって、より演奏者の細かい表情を抜いてきますから、客席からの絵より面白くなってしまいます。
ドラマーの真上から見る映像などはふだんはみられませんし、足元のカメラからのペダルの踏み方やステッィクさばきなどが分かると同じプレーヤーにはとても興味深いものです。
スクリーンに映し出されているご自身の絵を眺めながらプレーするプレーヤー自身も不思議な体験です。
ちょうどバレリーナが練習場でミラーの前でどういう風に見られているかを確認しながら練習するのと同じように、音と一緒に自分を印象づけるか表現できます。
先日来日したNYCのピアニストは確実にカメラを意識しながら曲調に合わせて感情的な表現をしていました。
確かにこたつに隣り合って座っているのに携帯でチャットするような真似と似通ってはいます。演奏を映像が喰ってしまうようなら本末転倒かもしれません。あくまでも演奏+でないと。
それだけ効果の高い演出をしてきたという自負はありますが、「ショー」そのものはプレーヤーのものですから不用とおっしゃればやりません。